鹿島の安西幸輝、J1舞台にかつての本拠地で実現した古巣対戦に「自分が育ったクラブですし感慨深いものもありました」
鹿島アントラーズのDF安西幸輝が、J1を舞台にかつての本拠地で実現した古巣対戦を振り返った。 鹿島は25日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第28節で東京ヴェルディと対戦。逆転優勝へこれ以上の取りこぼしが許されないなか、直近3連敗中の苦手アウェイゲームに臨んだ。 前半からボールは握ったものの、相手の堅固な守備ブロックの攻略に苦戦。球際の勝負で劣勢を強いられ、中盤でのボールロストから高い位置を取るサイドバックの背後を狙われて引っくり返されると、後半の63分と75分に一瞬の緩みからFW山見大登に2点を奪われた。 その後、積極的に交代カードを切ってゴールを目指したものの、相手のハンドで得たPKをFW鈴木優磨が決めて1点差に迫るのが精いっぱいで1-2の敗戦。アウェイ4連敗と共に3戦未勝利で4位に転落した。 東京ヴェルディジュニアからジュニアユース、ユースを経て2014年に東京Vでプロキャリアをスタートした安西は2018年に鹿島へ完全移籍。ポルトガルのポルティモネンセで2年間プレーした後、2021年から古巣に復帰している。 一方、東京Vは安西の在籍時を含め2008年から15年間に渡ってJ2での戦いを強いられたが、昨シーズンのJ1昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1昇格を果たした。 今年5月にはホームで古巣初対戦を経験した安西だが、J1を舞台にかつての本拠地で実現した古巣戦はやはり感慨深いものとなった。 「自分が育ったクラブですし感慨深いものもありましたけど、僕は鹿島の人間ですし、鹿島のためにしっかりと戦おうと思って試合に入りました」 3点差を追いつかれてドローに終わった初対戦の苦い経験、逆転優勝へ負けられない一戦だったこともあり、気合十分で臨んだ一戦だったが、結果は前回対戦以上にほろ苦いものに。 29歳DFはバイタルエリアを締めて自身を含めたサイドバック裏を執拗に狙ってきた東京Vの戦い方に関して「徹底してやってきていたので、そこは相手が素晴らしかったなと思います」と素直に苦戦を認めた。 また、「相手を崩せなかったのが、まず僕らの敗因ですし、失点のところもやっぱり最近軽い失点が続いているので守れたシーンでしたし、今日のヴェルディのように引いた相手に対して、セットプレーだったりで1点取れれば、また話は変わってくるんですけど先制点を取られたことで、厳しい戦いになりました。こういう相手がこれからどんどん出てくると思うので、そこを崩し切れないと上にいけないのかなと感じました」と、試合内容を振り返った。 個人としては前半こそ幾度か深い位置まで侵攻し、クロスや仕掛けるシーンを見せたが、「どちらかというと僕はバランスを取る方なので、チームのバランスを見ながらやっていましたが、崩し切れなかったり、もうちょっと大胆にクロスを上げたりとか、もうちょっと大きくやってもよかった」と逆サイドでストロングポイントとなっているDF濃野公人とのバランスを意識しすぎたと反省も口にした。 試合終了後には自主トレを一緒に行うなど、親交があるMF松橋優安と会話をかわすシーンもあった。 「あいつは自主トレを一緒にやっていて、そのときはヴェルディに残れるかわからないと言っていました。そういうなかで一緒にやっていた選手が試合に絡んでいるのはすごく嬉しいことですし、ユースの後輩としてピッチに立っている選手が何人もいたので、すごく誇りに思います」と、穏やかな表情で可愛い後輩たちへの思いも語った。 さらに、今夏の期限付き移籍の際には同じく東京V育ちのMF三竿健斗と共にアドバイスを送った松村については「ヴェルディは若い選手がいっぱいいますし、染野も(林)尚輝も生き生きとやっていますし、チームとしてやることが徹底されている。マツ(松村)もウイングバックで出ていることが多いと思いますけど、あいつの武器というのをしっかり活かせるようなチームに入ってよかったなと思います」と、自身の古巣で早くも主力を担う後輩の活躍を喜んだ。 古巣対戦を敗戦で終え、首位のFC町田ゼルビアとの勝ち点差が「6」に広がったなかで安西は「軽い失点が続いているので、その辺はしっかりチームとして改善しないといけないですし、得点というのも最近取れていないので、全体的にしっかりやっていきたい」、「途中から出てきた選手たちが、最近は勢いを持ってやってくれているので、今後は途中交代の選手がどれだけチームにフィットするかというのが大事。優磨一辺倒ではなくて、チーム全体で攻撃のクオリティを上げられればと思います」と、ここからの巻き返しを誓った。
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