名門帝拳の「最も世界に近い男」“3冠王者“岩田翔吉は”ネクスト井上尚弥”級の逸材か…WBO世界Lフライ級王者に照準!
これで9戦9勝(6KO)。現在、WBC、WBAで2位、WBOで3位にランクイン。もちろん次のターゲットは世界である。 「次に世界戦をやるつもりで練習をやってきた。今日の内容的にはスカッといった感じではないが、凄い自信はある。12ラウンドをやれた経験が大きい」 岩田は、2021年12月に谷口将隆(28、ワタナベ)がWBO世界ミニマム級タイトルを獲得して以来となる“世界に最も近い男”と言われている。 リングサイドで応援した前WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(36)が、名門・帝拳を支える次の看板ボクサー候補として、その名前を挙げたこともある。ロンドン五輪の銅メダリストでOPBF東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(36、大橋)も同じく”世界に最も近い男”ではあるが、激戦区のフェザー級での世界戦実現は簡単にはいかない。 元々は、故・山本KID徳郁氏の総合格闘技のジムへ通って格闘技を始めたが、ボクシングに興味を持ち、Uー15大会で優勝するなど、頭角を現し強豪の日出高に進むと高校総体では、準決勝でのちの元3階級制覇王者、田中恒成(27、畑中)、決勝で、後々、元WBC世界バンタム級暫定王者となる現WBOアジアパシフィック&日本スーパーバンタム級王者の井上拓真(26、大橋)という2人のライバルを打ち破って優勝している。早大に進み、プロ転向してからは、帝拳が英才育成プランを用意。2018年に米国でデビューするという異色のコースから、ついに3冠王者までステップアップした。 「次に(世界を)取りたい気持ちはある」と岩田は本音を明かす。 この階級には、リングサイドで観戦していたWBC王者の寺地拳四朗(30、BMB)、WBAスーパー王者の京口紘人(28、ワタナベ)と2人の日本人世界王者がいる。岩田は、拳四朗がダイレクトリマッチでKOでベルトを奪還した3月の矢吹正道戦を担当トレーナーの元2階級制覇王者、粟生隆寛と一緒に京都まで出向いて観戦している。 岩田自身は「粟生さんが持っているWBCのベルトはカッコいいが、世界王者は、子供の頃からの夢。チャンスがあるなら、どのベルトでもやりたい」と言うが、現在、水面下では、拳四朗と京口の統一戦の交渉が進んでおり、その試合が実現しなかったとしても、WBCは、6月に挑戦者決定戦を行ったばかりで、岩田がすぐに割り込むことは難しい。 ターゲットは、WBO世界同級王者のジョナサン・ゴンサレス(31、プエルトリコ)だ。ゴンサレスは、先日、マーク・アンソニー・バリガ(29、フィリピン)と防衛戦を行い、3-0判定で勝利したが、ダウンシーンもなく圧倒的な強さを示したわけではなかった。フライ級時代の2019年8月には来日して当時のWBO世界同級王者の田中恒成に挑戦して7回にボディでキャンバスに沈められている。本来はライトフライ級が適正階級なのだろう。異名は「ボンバ(爆弾)」だが、31戦26勝(14KO)3敗1分け1無効試合の戦績が示すように、一発の怖さはなく、もし挑戦が実現すれば岩田に世界奪取のチャンスはある。 粟生トレーナーも「(世界戦の)話があれば準備はできている」と断言した。