交番で部下にわいせつ致傷 元警部補に有罪判決 熊本地裁 「優越的立場を利用」
交番勤務中に部下の女性警察官の体を触ってけがをさせたとして強制わいせつ致傷の罪に問われた、熊本県警の警部補だった40代男の裁判員裁判の判決で、熊本地裁は16日、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)を言い渡した。 事件・事故
中田幹人裁判長は判決で「男性の部下に交番の外に出るよう指示した上で、女性に対し執拗[しつよう]なわいせつ行為に及んだ。優越的な立場を利用した卑劣な犯行」と指摘。執行猶予を付けた理由は「けがの程度が比較的軽く、慰謝料200万円を支払っている」と述べた。 判決によると、男は昨年2月3日深夜から4日未明の間、交番の部下の女性を仮眠室に呼び、体を触って約10日の裂傷を負わせた。 今月9日に始まった裁判員裁判は、男や被害者の氏名や住所を伏せて審理された。 県警の松見恵一郎首席監察官は「当時現職だった警察職員が有罪判決を受けたことを重く受け止めており、県民の皆さまに深くおわび申し上げる。引き続き綱紀粛正を図っていく」とのコメントを出した。(丁将広、松冨浩之)