年金の平均額が月5万円という記事を見ました。定年まであと10年ありますが、貯金を切り崩しても毎月5万円では足りません…。どうすれば余裕のある生活を送れるのでしょうか?
余裕のある生活を送るにはどうしたらよいか?
「年金額が月5万円では足りない」というところから、「年金額を増やせないか」ということについて考えてみます。「老後資金をためるために資産運用をする」ということも考えられますが、「定年まであと10年」であることから、元本割れのリスクをなるべく避けたほうがよいと考え、本記事では取り上げないこととします(資産運用を否定するわけではありません)。 先述のとおり、令和6年4月からの老齢基礎年金は、満額で81万6000円(月額6万8000円)です。したがって、老齢基礎年金の満額を受け取れるようにするだけで、年金額を月5万円から増やすことができます。そのためにすべきことは、国民年金保険料を全て納付することです。 ご自身が会社員や公務員である場合は、老齢基礎年金に加え老齢厚生年金を受け取ることができます。先述の厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金(老齢基礎年金を含む)の受給者の平均年金月額は14万4982円です。 老齢厚生年金の年金額は年収(保険料の納付額)に応じて異なるため、一概に金額を示すことはできませんが、「ねんきん定期便」を参照することで、ご自身が将来どのくらい年金を受け取ることができるかを想定することはできます。 ご自身が国民年金の第1号被保険者である場合、付加年金への加入を検討してみるのもよいでしょう。 付加年金とは、国民年金に上乗せする年金のことで、国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者が加入することができる年金のことです。付加年金に加入した方は付加保険料(月額400円)を納付することにより、付加年金の年金額として「200円×付加保険料納付月数」を老齢基礎年金に上乗せして受け取ることができます。 その他、私的年金制度である個人型確定拠出年金(iDeCo)制度を利用することも考えられます。個人型確定拠出年金の運用に当たっては、ご自身で運用方針・運用商品を選ぶ必要があります。「定年まであと10年」ということを考慮すると、元本保証型商品などリスクの低い商品を選択されるのが無難ではないかと思います。