松山英樹のマスターズ 12年間の足跡<後編/2018-2023>
2021年/アジア勢初のマスターズ制覇 悲願を遂げる歴史的快挙
「69」「71」「65」「73」=「278」 通算10アンダー 優勝 ローアマチュアに輝いた2011年大会から10年。ちょうど10回目の出場となったマスターズで、グリーンジャケットに袖を通す悲願を遂げた。 昨秋のマスターズから5カ月後。21年大会は、キャリアで初めて3連戦目に組み込むスケジュールで乗り込んだ。初日は前半8番(パー5)でイーグルを奪うなど「69」。4打差2位と自己最高のスタートを切ると、2日目「71」として3打差6位で決勝進出。さらに3日目は1イーグル5バーディで大会自己ベストの「65」をマークし、4打差リードの単独首位で最後の18ホールを迎えた。 前半8番(パー5)からの2連続バーディでリードは最大5打差に。終盤4ホールで3ボギーを喫するなど「73」と落としたが、それまでの貯金を生かして後続を1打差で振り切った。アジア勢のマスターズ制覇は史上初、4大メジャー制覇は2009年「全米プロ」優勝のY.E.ヤン(韓国)以来2人目の快挙。20代最後のシーズンに夢をかなえた瞬間だった。
2022年/史上4人目の連覇ならず チャンピオンズディナーは好評
「72」「69」「77」「72」=「290」 通算2オーバー14位 開幕1カ月前から体の痛みに苦しみ続けた。3月初旬に発症した首痛が長引き、以降の2試合はスタート前棄権と欠場。オープンウィークを挟んだ開幕前週も第2ラウンド途中で棄権した。2週前に応じた取材では「やっときのうから練習をしっかりできるようになった」と明かしていた。 開幕2日前には恒例のチャンピオンズディナーを主催。英語でのスピーチをジャック・ニクラスらに称賛され、すしや宮崎和牛などの和食で統一したメニューも好評だったという。まずは、前年覇者としての大仕事をしっかりとやってのけた。 大会史上4人目の連覇がかかる一戦は、首位に5打差の好位置で予選を通過したものの、3日目「77」で優勝戦線から離脱。通算2オーバーの14位に終わり、表彰式でスコッティ・シェフラーにグリーンジャケットを授けた。
2023年/連日の日没順延 手負いの体に悔しさにじませる
「71」「70」「70」「75」=「286」 通算2アンダー16位 開幕2週前の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」は首に痛みが出て途中棄権したが、「元気よく来られて良かった」と10年連続12回目のオーガスタ入り。初日は両手首にもテーピングを施しながら「71」で回り、首位に6打差の1アンダー26位と無難なスタートを切る。 2日目以降は悪天候により日没順延が続く中、通算3アンダーの16位で予選を通過。首位に6打差の5位で迎えた最終ラウンドは「75」とスコアを落とし、16位で戦いを終えた。「やっぱり体が4日間、良い状態でプレーできないのが悔しい」と述べ、もどかしい気持ちを言葉にじませた。