ブラックロック、プライベートクレジット会社HPSの買収検討か
(ブルームバーグ): 世界最大の資産運用会社ブラックロックがプライベートクレジット会社HPSインベストメント・パートナーズの買収を検討していることが関係者の話で分かった。実現すれば、ブラックロックはプライベートクレジット市場で上位に浮上する。
非公開の情報だとして匿名を条件に語った関係者によると、HPSが新規株式公開(IPO)も視野に入れる中で、両社は協議を重ねている。ブルームバーグ・ニュースはこれまで、HPSがIPOに踏み切った場合、評価額は100億ドル(約1兆4900億円)余りになる可能性があると報じた。買収となれば、この評価額に対してプレミアムの上乗せを求められるだろうと一部の関係者は述べた。
合意が間近に迫っているわけではなく、交渉がまとまらない可能性もあるという。
ブラックロックの広報担当者は「市場のうわさや臆測にはコメントしない」と述べた。HPSの担当者は現時点でコメントの要請に応じていない。
HPSを巡っては、ブラックロックだけでなく、複数の買い手候補が取得に関心を示しているという。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社CVCキャピタル・パートナーズは、HPSとの合併に関心を持ち、断続的に交渉を行っているが、現在正式な交渉は行われていないと関係者は述べた。CVCはコメントを控えた。
ブラックロックは年金基金や政府系ファンドといった顧客から需要が高まっているオルタナティブ資産を含め、投資に関するあらゆる選択肢を提供する「ワンストップショップ」としての地位を確立することを目指しており、プライベートクレジットを成長の優先課題に掲げている。HPSは2016年にJPモルガン・チェースから分離独立して誕生した。
原題:BlackRock Among Suitors Said to Explore Buying Credit Firm HPS(抜粋)
--取材協力:Swetha Gopinath、Ruth David、Silla Brush、Jan-Henrik Foerster、Silas Brown、Aaron Kirchfeld.
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Gillian Tan, Dinesh Nair, Davide Scigliuzzo, Ryan Gould