ディーノ「206/246」は『サーキットの狼』沖田の悲劇とフェラーリ家の逸話がクロス…イタリアまで足跡を追いに行きました【極私的スーパーカーブーム】
漫画『サーキットの狼』連載開始から50年! スーパーカーブームを振り返る
1970年代後半に日本を席巻した「スーパーカーブーム」のきっかけは、池沢さとし(現・池沢早人師)さんによる漫画『サーキット狼』の大ヒットでした。その連載開始が週刊少年ジャンプ1975年1月6日号(発売は前年12月10日)ということで、AMWでは2025年を「スーパーカーブーム50周年」と見立て、当時の熱狂を知る皆さんに思い出を振り返ってもらうことにしました。今回は、1964年生まれの自動車ライター、嶋田智之さんです。 【画像】歴史上で最も美しいクルマの個人的ベスト3に入る! 美しいディーノ「246GT」と「246GTS」を見る(25枚)
第1次スーパーカーブームが人生の原点
もう50年か、と感慨深い気持ちになる。なぜなら、自分の人生の最も大きなターニングポイントは、間違いなくあのスーパーカーブームだからだ。小学校高学年から数年、毎日のように雑誌を開き、「こういうクルマに乗るにはどうしたらいいんだろう……?」と考えてた純粋な(ところが当時はあった)少年は、ふと「そうか! こういう本を作る人になればいいんだ!」と思いつき、自動車雑誌の編集者になることを志したのだ。本当の意味での「乗る」とは違うけど、裕福な家に生まれ育ったわけでも目覚ましい才覚を持ってるわけでもないことを悟ってた子どもの、小賢しい知恵である。 カウンタック、ミウラ、ウラッコ、シルエット、BB、308、デイトナ、ボーラ、メラク、ストラトス、パンテーラ、2000GT、930ターボにヨーロッパ、幻といわれたイオタも2台──。おかげで、ブームの最中に憧れたクルマたちのほとんどを体験することができた。F40やF50、ディアブロ イオタといった第2次スーパーカー・ブームの英雄たちや、その後のニューモデルたちをテストする機会にも恵まれたし、ついでにいうなら実際にGTレースを走ったF40や911RSR、アルピーヌ A610LMなどのレーシングカーもサーキットで走らせることができた。それにスーパーカーだけじゃなく、クルマ好きが趣味の対象として心を傾ける数々の愛すべきクルマたちも……。 そう。あの第1次スーパーカーブームが僕の原点なのだ。あの時期にスーパーカーたちと出逢ってなければ、僕の人生は別のモノになってたに違いない。今頃いったいどうなってただろう……?
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