三沢基地航空祭が開催、アメリカ軍無人偵察機が初展示
9月7日、青森県三沢市の三沢基地で航空祭が開催され、残暑残る空の下、基地周辺住民や航空ファンなど多く人出で賑わいました。
三沢基地ってどんな基地?
三沢基地は航空自衛隊とアメリカ軍が共同利用する航空基地で、米軍、自衛隊ともにロシアや北朝鮮方面からの脅威に対する警戒を主務としています。また、飛行場には三沢空港が併設されており、軍民共用基地となっています。 自衛隊は東北から北海道にかけての防空を主務とする北部航空方面隊の司令部を設置している他、F-2戦闘機を運用して対領空侵犯措置を行う第3航空団や、早期警戒機E-2Cを運用する警戒航空団が所属しています。 アメリカ空軍はF-16戦闘機による敵の防空網制圧を任務としている第35戦闘航空団が属しています。また、2014年にはRQ-4無人偵察機「グローバルホーク」がグアムのアンダーセン基地から、台風シーズンを避けるために10月まで一時配備することが発表されました。その他にも、アメリカ海軍の哨戒機や電子戦機などが一時的に配備される場合もあります。
無人偵察機が注目された地上展示機
今回の航空祭で最も注目を集めたのが、日本で初の一般公開となったRQ-4無人偵察機「グローバルホーク」の地上展示です。グローバルホークは高度2万メートルから高性能カメラや赤外線センサーなどで偵察を行い、衛星通信で操縦やデータ送信を行う高高度無人偵察機です。日本の防衛省も周辺国の動向把握や原発事故時の状況把握に活用するために、2015年度予算で3機の購入を目指しています。 その他にも、2013年12月に沖縄県の嘉手納基地に配備されたアメリカ海軍の新型哨戒機P-8「ポセイドン」や同じく嘉手納基地に所属するF-15C戦闘機、在韓米軍所属のA-10攻撃機などが飛来しましたが、ティルトローター輸送機MV-22B「オスプレイ」は展示されませんでした。
自衛隊機が中心の飛行展示、60周年記念塗装機も
飛行展示では、基地に所属する航空自衛隊のF-2戦闘機やアメリカ空軍のF-16飛行展示チームの他、北海道の千歳基地から飛来したF-15J戦闘機が機動飛行などを行いました。F-2戦闘機のうち一機は航空自衛隊60周年を記念し、垂直尾翼に桜の花びらが描かれた特別塗装機が登場してフライトを披露しました。 また、宮城県の松島基地に所属する曲技飛行チーム「ブルーインパルス」も参加し、航空祭日和となった青空の下、飛行空域の条件が良好な状態でしかできない垂直方向の課目も取り入れた迫力のフライトを披露して観客を魅了しました。