希望の党の共同代表選スタート 玉木氏と大串氏、考え方の近さと距離
●安保法制「条文改正を」「容認しない」
希望の党への合流時に公認候補が結んだ政策協定書では、「安保法制」と「憲法改正」への姿勢がクローズアップされた。外交安全保障は「現実的な政策を追求する」と語った両氏だが、方向性には違いもみられた。 大串氏が、政策協定書をめぐって安保法制を容認する案を削除した経緯があることから、「安保法制は容認していないという立場は明らかにしながら、現下の安全保障環境に鑑み、現実的な外交安全保障政策を取っていく」と語った一方で、玉木氏は「安保法制は当時われわれ(民進党)は反対した。違憲の疑いがある部分が残っているというのは大串さんと同じ考え」としながらも、「ただ廃止や白紙化といっても、すでに既存の法律に溶け込む形で改正されている。根っこから全部廃止するのは現実的ではない」と指摘。考えられる対応方法として、「存立危機事態」に該当すれば集団的自衛権の行使ができるとした武力攻撃事態法の例を挙げ、存立危機事態の「3要件」を「もう少し従来の憲法解釈に合致するように、具体的な条文改正を提案する」と訴えた。
●憲法改正「自衛権に縛り」「9条改正必要ない」
憲法改正へのスタンスについては、玉木氏は「9条も含めてしっかり議論したらいい。ただ優先的に議論するのは地方自治、解散権の制約」と述べた上で、9条に関しては「安倍政権が提案しているような1項と2項をそのままにして、自衛隊を明記するのは論理的整合性も含めて甚だ疑問」との見方を示した。さらに、現行憲法では自衛権の範囲について明確ではないとして、「そのことを安倍政権が利用して、恣意的な解釈を許し、自衛隊の活動範囲が無限に広がるような運用している。しっかり自衛権の範囲に縛りをかける制約を明記する改正論はあってもいい」と述べた。 大串氏は「憲法改正自体を自己目的化することなく、地方分権などを含めて大いに議論があっていい」とした上で、「ただ9条改正は今は不要だ」と明確に語った。
●野党連携「補完勢力にならない」「統一会派も」
野党連携では、大串氏が「二大政党制を目指すので、自公政権と対峙していく旗は高く掲げる」と述べ、「統一会派も組むべき」と踏み込んだ。 玉木氏は「安倍1強許すまじ」という小池代表の言葉を引用しながら、「連携できる野党とは連携していきたい」と述べ、自民党の「補完勢力にはならない」ときっぱり語った。