レス男性の本音。「俺のせいじゃない!」 結果、選んでしまった「禁断の解決法」とは?
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 【データ】レスの割合は? 年齢別の目的は? つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#16】
レスの現実
都内在住のナオキさん(仮名)は、40歳の不動産会社勤務の男性です。42歳の妻と6歳の娘と暮らす彼は、結婚7年目にして深刻なレスに悩んでいます。 ナオキさん、今日はインタビューに応じていただきありがとうございます。まず、現在の夫婦関係について教えていただけますか? 「こちらこそ、話せる機会をいただきありがとうございます。正直、この話をするのは勇気がいりますが、誰かに話さないとどうにかなりそうで…。妻とは結婚して7年になりますが、ここ5年は全くセックスがありません。娘が生まれてから、妻の体調も変わり、自然とそうなってしまいました。最初は仕方ないと理解しようとしましたが、だんだんと自分の気持ちが抑えられなくなって…」 性行為がなくなったことが精神的に大きな影響を与えたのでしょうか? 「そうですね…。やはり、男としての自信がなくなりますよ。夜が来るたびに、また今日も何もないんだなって思うと、心の中で虚しさが広がっていくんです。少しだけでも…と期待しても、結局何も起きない。最初は耐えられると思っていたんですが、だんだんとフラストレーションが溜まってきて、それが日常生活にまで影響を与えるようになりました」
レスの原因と男性の視点
レスに至った原因として、具体的にどのようなことが考えられますか? 「いくつかあると思います。まず、妻の体調が大きな要因ですね。出産後、彼女はホルモンバランスが崩れて、性欲がほとんどなくなったみたいなんです。それに、仕事でのストレスもあります。共働きなので妻も疲れていて、お互いに余裕がなくなってしまったんです。最初は『俺のせいじゃない』と思っていました。でも、そう思い続けることで、妻に寄り添えなかった僕が原因を作ったと思います」 ずっと悩み続ける中で「俺のせいじゃない」という思いが大きくなったんですね。その後の夫婦関係にどのような影響を与えたと思いますか? 「その思いが強くなると、どうしても妻との間に壁ができてしまいます。例えば、妻が何かにイライラしていると、つい「俺が悪いわけじゃない」と心の中で反発してしまうんです。そうすると、ますます妻との距離が広がってしまう。自分でもそれが良くないって分かっているんですが、どうしても感情を抑えられなくて…特に出産直後の大変な時期だったので、僕がもっと寄り添って理解するべきだったんです」 徐々に感情のコントロールが難しくなり、ケンカすることも増えたということでしょうか? 「ケンカも増えていきました。その度に、自分がどんどん孤立していくような感じがします。妻に対して愛情がないわけじゃないんです。でも、どうすればいいのかが分からない。自分でもこんなに感情が不安定になるなんて思っていませんでした。特に、仕事から帰ってきて、家族がいるのに「家にいる意味がない」と感じることが増えて…感情を表に出さないようにしたんです」