声でアピールする猫と顔で訴えてくる猫… 食事の催促の方法がまったく違う! 3匹の猫との賑やかな毎日【書評】
食事についても好みが違うのは当然、催促の仕方もよく鳴くシノさんと“顔”がうるさいトンちゃん、と差が出る。著作ではかわいい本人(本猫?)の写真付きでもエピソードが紹介されるため、2匹の実際の様子も目に浮かぶように思い描ける。 想像して思わずフフッと笑ってしまうような、シュールで愛らしいお話が満載だ。
1匹でも可愛い猫。だが多頭飼いをはじめると、一口に猫といってもその性格は非常に千差万別であることに改めて気付かされる。まるで人間のように、趣味嗜好も行動のクセも違う。そんな個性の差もまた愛らしい魅力だと、より猫が好きになってしまう人もきっと多いのだろう。
加えて、複数の猫たちと複数の人間たちの関係もまたいろいろと複雑で、そこもまた面白みが増すポイントだ。 元々猫派ということもあり、何かとトンシノコンビを構うのはやはり著者。夫はもともと犬派から猫派に転向したしたこともあり、猫たちへの愛は著者に比べればやや控えめ。 しかし、そこへ新たにやってきた預かり猫のたねお。先住の2匹と新たな関係が生まれるのはもちろんだが、まさか夫と大の仲良しに。 家へ来たばかりの時はまだ子猫で幼かった2匹も、気付けば人間でいう中年の歳に。平和だけど毎日話題に飽きない、2人の人間と3匹の猫の生活はまだまだこれからも続いていく。 文=ネゴト/ 曽我美なつめ