「やせている」をほめ言葉にしない 高校生ら議論 若い女性の5人に1人「やせ過ぎ」問題
日本の20代女性の5人に1人が「やせ」状態にあり、将来の健康リスクが懸念される中、学生目線で課題の解決策を探るワークショップが東京都文京区の順天堂大学で開かれた。女性のやせたい気持ちを駆り立てる情報環境への向き合い方などについて、高校生らが意見を交わした。 【イラストで解説】若い女性のボディーイメージに対する意識 ■「食べない、運動しない」は糖尿病にも ワークショップは24日に開かれ、同大国際教養学部の学生と関東国際高校3年生80人が参加。女性のやせ問題について啓発に取り組む「マイウェルボディ協議会」が協力した。 この日は協議会の代表幹事で、同大国際教養学部の田村好史教授(代謝内分泌内科学)が講師を担当。日本の20代女性の5人に1人が、体重と身長から算出する体格指数「BMI」が18・5未満の「低体重(やせ)」に該当することを紹介した。 食べることを控え、運動せずにやせている女性が、糖尿病になりやすい傾向があることも解説。「しっかり食べて体を動かし、筋肉を使っていることが健康にとって大切だ」と語り掛けた。 ■無意識の思い込みに気づく さらに、田村教授は「やせている方がいい」という無意識の思い込みに気づくことの重要性に触れ、「誰もが、自分らしく、心地よくあり続けられる健康な体『ウェルボディ』について考えてほしい」と議論を促した。 生徒らはグループに分かれて、自分らしく健康な体を保つためにはどうすればいいかについて意見交換した。 「日本は他国より容姿に対して人の目を気にする人が多いのではないか」といった声や、「SNSの不安をあおる情報に流され過ぎたらいけない」「運動をする時間を意識的につくる」「友達に対して『やせているね』をほめ言葉にしない」など発言が相次いだ。