こんなはずでは…。欧州で伸び悩んでいる日本人選手6人。期待されるも、思い通りにいっていない男たち
MF:渡井理己(わたい・まさき) 生年月日:1999年7月18日 所属クラブ:ボアヴィスタ(ポルトガル) 23/24リーグ戦成績:9試合0得点0アシスト これまで世代別日本代表のメンバーとしても名を連ねるなど将来を嘱望されていた渡井理己は、徳島ヴォルティスでプロキャリアをスタートさせて評価を高めていった。2020シーズンはリーグ戦38試合に出場してクラブのJ1昇格に大きく貢献するなど主力としてチームを牽引してきた若きタレントは、2022/23シーズンにポルトガルのボアヴィスタへ期限付き移籍して欧州への挑戦を勝ち取った。 徳島の10番を背負った技巧派MFである渡井は欧州でも活躍が期待されていたが、現状ボアヴィスタで難しい状況に置かれている。加入初年度は途中出場からの起用がメインとなり、リーグ戦15試合出場1得点1アシストという成績に終わった。今季での巻き返しを図った渡井であったが、徳島時代に主戦場としていた中盤ではなく主にWGとして起用され、ここまでリーグ戦9試合の出場で得点もアシストも無く、結果を残すことができていない。 渡井は出場こそ少ないが、今季は公式戦全試合にベンチ入りしており、少なくとも構想外という扱いではないはずだ。しかし昨季からチャンスを与えられ続けてきたものの、それをなかなか活かしきれていない。ボアヴィスタへの期限付き移籍は今季までとなっているが、来季の渡井の去就はどうなるだろうか。
FW:田川亨介(たがわ・きょうすけ) 生年月日:1999年2月11日 所属クラブ:ハーツ(スコットランド) 23/24リーグ戦成績:10試合0得点0アシスト 世代別日本代表として名を連ねてきた田川亨介は、サガン鳥栖のトップチームに昇格した2017シーズンからJ1の舞台でコンスタントに出場機会を得てきた。2022年1月にFC東京からポルトガルのサンタ・クララに期限付き移籍して欧州でのキャリアをスタートさせたが、以降は難しいシーズンを送っている。 サンタ・クララでの2021/22シーズンこそ12試合出場5ゴールと上々の結果を残したが、2シーズン目は27試合2ゴールと低調な成績に終わり、クラブも最下位で2部降格となってしまった。田川は期限付き移籍満了のため一度FC東京に復帰し、スコットランドのハーツに移籍して欧州再挑戦へと踏み切った。 しかしハーツでは負傷の影響もあるとはいえ、サンタ・クララ時代以上の苦戦を強いられている。今季リーグ戦20ゴールをあげて得点ランク首位に立つFWローレンス・シャンクランドがチームの絶対的存在として君臨しており、田川は主に彼と並んでツートップの一角としてプレーしているが、ここまで10試合の出場でノーゴールと結果を残すことができていない。現在シャンクランドの相方も務めるFWリアム・ボイスが負傷離脱しているものの、田川のFWとしての序列は3番手から4番手の扱いであり、厳しい状況だ。 ハーツ移籍当初は期待をもって迎えられたものの、それに応えられているとは言い難い。Jリーグ時代はコンスタントに出場機会を得ていただけに、欧州挑戦によってキャリアが停滞してしまった印象を受けてしまう。ハーツに完全移籍で加入した田川だが、来季はどこでプレーすることを選択するのか。