こんなはずでは…。欧州で伸び悩んでいる日本人選手6人。期待されるも、思い通りにいっていない男たち
FW:伊藤達哉(いとう・たつや) 生年月日:1997年6月26日 所属クラブ:マクデブルク(ドイツ) 23/24リーグ戦成績:25試合2得点3アシスト 伊藤達哉は柏レイソルの育成組織からJリーグを経ずに18歳の若さでドイツへ渡った。ハンブルガーSVのセカンドチームで研鑽を積んでいた伊藤は2017/18シーズンにトップチームデビューを果たして頭角を現したが、それ以降は欧州5大リーグのピッチには立っておらず、そのポテンシャルを十分に発揮しているとは言い難い。 2018/19シーズンは新監督のもとで出番を減らして再びセカンドチームでのプレーを強いられると、2019/20シーズンに新天地を求めてシント=トロイデンへ移籍した。しかし、ここでも約2年半の在籍でリーグ戦の出場が通算18試合と出場機会に恵まれず、2022年1月から現在ドイツ2部のマクデブルクでプレーすることとなった。 ドイツに帰還した伊藤はここまでスーパーサブとして起用されて結果を残している。今季もスタメンは5試合ながら25試合に出場して2得点3アシストを記録しており、試合終盤の切り札として指揮官からも信頼されていることは十分うかがえる。しかし、2017/18シーズンのブンデスリーガ年間最優秀若手選手候補に選出されたそのポテンシャルを考えると伸び悩みの感は否めない。実際、伊藤の市場価値もその当時の最高値から現在は約3分の1の金額(70万ユーロ/約9800万円)まで落ち込み、停滞してしまっている。 移籍情報サイト『transfermarkt』によると、伊藤とマクデブルクの契約は今シーズンをもって満了を迎える。現在26歳と選手として脂の乗る年齢の伊藤が、来夏にどのような選択をするか注目だ。
MF:三竿健斗(みさお・けんと) 生年月日:1996年4月16日 所属クラブ:OHルーヴェン(ベルギー) 23/24リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト かつて鹿島アントラーズでキャプテンを務め、日本代表としてもプレーした三竿健斗も欧州で伸び悩んでいる選手の1人だ。三竿は2023年1月に鹿島からポルトガルのサンタ・クララへ移籍し、かねてから目標としていた欧州への挑戦に踏み切った。 しかし、サンタ・クララですぐさまスタメンに定着したものの、チームは9連敗を喫するなど絶不調に陥り、次第に三竿も序列を低下させていってしまう。最終的に最下位でフィニッシュしたチームは降格となり、三竿はベルギーのOHルーヴェンで再起を図ることとなった。 だが、2023/24シーズンも苦境に立たされている。開幕から怪我で出遅れるも10月からは定位置を掴み、リーグ戦第12節アンデルレヒト戦では欧州での初ゴールをあげてこのまま上昇気流に乗ると思いきや、12月にアキレス腱の負傷に見舞われて欠場を強いられてしまった。 2月に怪我から復帰するもすっかり序列を低下させてしまい、ベンチを温めることも多くなってしまっている。現在のルーヴェンの中盤の底はチームの絶対的存在シーベ・スフライフェルスとU-19オランダ代表の新星エゼシエル・バンズージによって構成されており、三竿は彼らの控えという位置付けになっている。Jリーグでは国内屈指のボランチとして鹿島にタイトルをもたらした三竿は、この苦境から脱することができるか。