「赤坂のサニー」も「六本木のカローラ」も衝撃の品質! 1980年代のドイツ車は「オーバークオリティ」っぷりは突き抜けていた
高級車だけではなく大衆車も高品質だった
これまた、筆者の愛車遍歴の1台になって恐縮だが、E30 BMW 3シリーズも、かの徳大寺先生が当時、「最良のBMWは3シリーズ」と評したエレガントでバランスの取れた3シリーズだった。 筆者が乗っていたのは325iだが、「BMWなら6気筒!」と称されたエンジンのシルキーなスムースさ、ドライバーオリエンテッドなドライバーに向いた高品質なインパネとメーター、そして「六本木のカローラ」といわれつつも、じつは高速巡行、FR駆動による山道の走りのよさは、コンパクトセダンとして当時、ピカイチだったと確信している。 とくに筆者の愛車はスポーツパッケージ装着車だったこともあり、運転に対する気が引き締まるスポーツシートのかけ心地のよさもまた、記憶に残るほどである。 メルセデス・ベンツ 190Eはいまではほとんど見かけなくなったが、いま、若い自動車ユーザーに、にわかに注目されているのが、もはやネオクラシックカーとも呼べる2代目VWゴルフである。 初代とともに完成されたデザインはいまでも古臭さなし。そして、誰もが満足できるドシリとした安心安全な走行性能、インテリアの質素ながら高品質な素材の使い方など、VWゴルフのオーバークオリティをいまでも実感できそうな世代なのである。そんなゴルフIIは筆者が初めて所有した輸入車でもあった。 そこで、世界のコンパクトカーのベンチマークたる完成度にほれ込み、多くを学び、以来、2013-2014年日本カー・オブ・ザ・イヤーを輸入車で初めて受賞したゴルフVIIの2014年型ゴルフヴァリアント、ゴルフのオーバークオリティの頂点、そして最高傑作と”勝手に”思っている2020年型ゴルフヴァリアント・ハイライン マイスターと乗り継ぎ、国産車を含む世界の多くのライバルがベンチマークとするドイツ車のオーバークオリティの真髄に、ゴルフII以来、満足しているところである。
青山尚暉