<ここに注目>21世紀枠対決 八戸西189センチ右腕、具志川商攻略なるか 選抜高校野球
◇第3日第1試合 具志川商vs八戸西 大会通算3回目となる21世紀枠同士の対戦。いずれも初出場の県立校で、主力右腕を中心とした手堅い野球も似通う。エースの実績で上回る八戸西にやや分がありそうだ。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 具志川商の新川俊介(3年)は2020年秋の九州大会で2試合完投したが、1回戦が公式戦初先発だった。一方の八戸西・福島蓮(3年)は東北大会での2試合完投に加え、青森大会でも3完投と経験豊富だ。 攻撃の特長は「足」と「打」に分かれた。具志川商は1試合平均盗塁が出場校中7位の2.63個で積極的に次塁を狙う。八戸西は同9位のチーム打率3割5分1厘を誇る。 具志川商の新川は球威のある直球が武器。打線は沖縄大会準決勝の興南戦で見せた重盗のように、大胆な攻めで先手を取りたい。八戸西の福島は身長189センチからの角度のある直球と変化球で打たせて取る。攻撃は20年秋に打率5割4分3厘、2本塁打をマークした広田大和(3年)の前に走者を出せるかが鍵となる。 過去の「21世紀枠対決」は第85回大会(13年)の遠軽(北海道)―いわき海星(福島)と、第88回大会(16年)の釜石(岩手)―小豆島(香川)。同枠での選出は青森は初、沖縄からも20年ぶりと互いに地元の応援も熱を帯びている。【吉見裕都】
具志川商 会社員だった喜舎場監督のもとで磨いた「組織力」
建設会社社員の喜舎場正太監督の就任を機に躍進した。2020年秋、沖縄県8強の壁を初めて破り準優勝。初出場を果たした九州大会でも1勝を挙げた。 19年7月から指揮を執る喜舎場監督は「組織力」を浸透させた。その象徴が打者を助ける走塁だ。バッテリーや野手に重圧をかけ、直球が増える配球を強いたり、守備の1歩目を遅くさせたりして好機を広げる。強豪との個々の能力差を受け入れ、足の判断力を磨いてきた。 投手では右腕・新川俊介(3年)が開花した。公式戦初先発となった九州大会1回戦の東海大熊本星翔戦で2失点完投。上手からの直球は140キロ前後も重く、球威がある。 全国的には無名の県立校だが、選手たちは「甲子園に立てば同じ高校生」と口をそろえ、臆するところはない。目指すは第73回大会(01年)の宜野座(沖縄)、第81回大会(09年)で利府(宮城)が刻んだ21世紀枠最高成績ベスト4超えだ。【吉見裕都】