<ここに注目>21世紀枠対決 八戸西189センチ右腕、具志川商攻略なるか 選抜高校野球
具志川商・粟国陸斗主将の話
(相手の八戸西は)打撃、守備ともにいいチームなので、自分たちの野球をできるかが鍵。多くの方から応援されているので、感謝の気持ちを忘れずに最後の一球まで全力で戦いたい。
全校生徒が参加する恒例行事「具商デパート」
◇具志川商(沖縄) 沖縄本島中部のうるま市にある県立の商業高校。1977年に周辺3校の商業科を統合して設立された。四つの学科で約550人が学ぶ。94年に始まった年1回の恒例行事「具商デパート」には全校生徒が参加し、商品の企画や仕入れ、販売など実際のビジネスの流れを模擬体験する。地元企業とも連携し、地域の活性化に貢献する。79年創部の野球部はこれまで県大会8強が最高成績で、5年前には部員不足で他の運動部から助っ人を借りて大会に出場する窮状にあった。地域やOBの支援で再生し、20年秋の県大会で準優勝。初出場した九州大会でも1回戦を突破し、8強入りした。
「縮こまらず、堂々とプレーを」前主将・安田風太さん
具志川商の今の部員たちは仲がいいだけでなく、お互いの悪いところも遠慮なく指摘し合える。そんな関係を作ってきたことが、組織としての力になり、これまでの好成績につながったと思います。 昨年はコロナ禍で目指してきた夏の甲子園が中止になり、悔しい思いをしました。そんな状況でも、戦い抜く姿勢を後輩たちに見せたいと思い、野球に取り組みました。それが今の部員にも伝わったのかもしれません。 最近の練習試合を見ても、冬を越えて特に長打力がアップしています。九回まで集中力を切らさずに粘り強く戦えるチーム。甲子園でも縮こまらず、沖縄県の代表として堂々とプレーしてほしい。勝利を挙げて、新たな歴史を作ってほしいです。
八戸西「守備からも攻撃からも流れ作る」
初出場した2020年秋の東北大会で、長身エースの福島蓮(3年)を中心とした堅い守備と勝負強い打撃で8強入りを果たした。準々決勝では惜敗したものの強豪・花巻東(岩手)に1―2の接戦を演じ、秋の公式戦9試合中6試合で2桁安打を放つなど、主将の宮崎一綺(同)は「守備からも攻撃からも流れを作れる」と語る。 189センチの長身右腕・福島は、角度のある最速143キロの直球とスライダーを軸に打たせて取る投球で要所を抑える。2番手には、変則的フォームで打者に的を絞らせない横手投げの高間舘好誠(同)と、球威で押すパワフルな投球が持ち味の広田大和(同)が控える。3投手を柱に継投でも勝ち上がるための投手陣を構築する。 20年秋のチーム打率3割5分1厘は出場32校中9位の好成績だ。打線の中心は打率5割超の広田と、東北大会で4番を任された下井田大和(同)。冬場にはグリップが太い特製バットで1万スイング以上を振り込み、打撃にさらなる厚みを加えて初の甲子園に臨む。【尾形有菜】