「巨人・ガルベスvs中日・山崎武司」最悪の大乱闘…止めたのは42歳落合博満だった「中日のピッチャーに同情したんだよ、オレは」28年前の真相
「大ベテラン落合を切る」シナリオ
6月21日の横浜戦では13号、14号の2打席連発弾。復調した松井の一発と左中間への広告直撃弾を放ったマックとのクリーンナップ揃い踏みで、「ホームランに距離は関係ないよ。10年前のオレだったら、何本も外野の看板に当てていたけどな」と東京ドームを沸かせた。26日のヤクルト戦では勝ち越しの15号特大3ランを含む5打点を上げ、54打点でオマリー(ヤクルト)と並びリーグトップに立つ。史上最年長の打点王も射程圏内にとらえ、1996年の落合は限界説を跳ね返し、恐ろしい勢いで打ちまくった。契約最終年のシーズン前は、松井への4番継承をもって、落合の巨人での役割も終わったという雰囲気すらあったが、それらのストーリーを根本からひっくり返し、42歳にして4番を奪い返してみせたのだ。 対照的にチームは6月に1点差ゲームに競り負け続け、8勝14敗と再び負け越し。6月末の首位広島との3連戦で3連敗を喫し自力Vが消滅。11ゲーム差をつけられ、優勝はもはや絶望視されていた。こうなると、水面下で来季に向けてチームを根本から作りなおそうとする動きが出る。一部フロントが絵を描いた「今季限りで高年俸の大ベテラン落合を切る」というシナリオである。 40代になっても、打撃3部門で自らの前年の成績を超えていく。最年長の打率3割を打ち、打点王争いを繰り広げる姿は、まさに超人だった。だが、落合博満の衰え知らずの打撃が、シーズンオフに喧噪をもたらす原因になろうとは、この時はまだ誰も予想だにしなかった――。 <続く>
(「巨人軍と落合博満の3年間」中溝康隆 = 文)
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