ザウバーF1、今季も一部レースでは“ステーク”のロゴを使用しない方針。ギャンブル広告禁止国に対応……代替は“キック”
2024年からはアルファロメオのタイトルスポンサーシップが外れ、“ステークF1”としてF1に参戦するザウバー。先日公開されたニューマシンにも、オンラインカジノを展開する『ステーク』のロゴが各所に掲示されていたが、一部レースではこのロゴを使用しない形となる。 【ギャラリー】“美しいマシン率”も高い? 鮮やかなグリーンでF1を彩ったマシンたち これは、ギャンブル関連会社のプロモーションを禁止している国があるため。ザウバーは当該国のレースで、ステークの姉妹会社であり配信サービスを手掛ける『キック』のロゴを使用する。ベルギー、オーストラリア、スペイン、カタールでキックのロゴが採用される予定で、ベルギーGPはスペシャルリバリーになるという。 こういった対応は、ステークとキックがパートナーになっていた昨年のアルファロメオ時代からとられていたが、今季のザウバーはチーム名称としても『ステークF1』を名乗っている。これについてチーム代表であるアレッサンドロ・アルンニ・ブラビは、ギャンブル広告禁止国では“第2のチーム名”を使うことになるとしている。 アルンニ・ブラビは次のように語る。 「知っての通り、昨年の我々はレースをする国によってふたつの異なる名前を使用していた」 「我々は現地で適用される法律を全て遵守しており、ステークが禁止される国……つまりギャンブル広告が禁止される国では、異なる名称を使うことになる」 「昨年同様、我々はキックを最も重要なパートナーのひとつとしており、シャシー名も『キック・ザウバー』としている。そのためステークF1チームとしてレースができないところでは、第2のチーム名を使うことになる」 ザウバーは2023年限りでアルファロメオとのパートナーシップを終了し、2026年のアウディワークスチーム化までの2年間が移行期間となる。彼らがこの2年間を通し、ステークとのパートナーシップなどを通して新たなアイデンティティを確立しようとしているのは、今季からグリーンのカラーリングに変更したことや、ロンドンでVIPやインフルエンサーを招いて盛大な発表会をしたことからも見て取れる。 「私にとって、これは素晴らしいことだ」とアルンニ・ブラビ代表は言う。 「我々が今シーズンを通してやろうとしていることが見えてきていると思う。これは第1弾に過ぎず、我々はシーズンを通して多くの活動を行なう予定だ」 「もちろん、ステークの傘下にはゲームやギャンブルを含む様々なブランドがあり、非常にダイナミックな会社だ。それが我々のファン層を拡大し、我々と全てのパートナーにとって非常に重要なターゲットにリーチするのに役立つだろう」 このように最近ではなかった新たなアプローチをとろうとしているザウバーだが、アルンニ・ブラビ代表はアルファロメオが離れたことで、マーケティング面で柔軟になったと認めた。 「当然今年はやりやすくなった。我々は明確で新しいアイデンティティを手にしたのだ」 「今回のイベントを通して、我々の新たなモットーである“解放”を掲げて、自分たちが何をやりたいかを示している。これは我々の求めるコミュニケーションの取り方を示しているのだ」 「もちろんこれはコース上での結果に下支えされる必要がある。より良い仕事、より高いパフォーマンスを発揮するために、全員が力を合わせている。全てを持ち合わせることが重要だ」 「F1チームというのは、単なるレーシングチームではない。運営の規模も大きい。技術面や商業面など、レース内外の分野に取り組む必要がある。そしてステークと共に、F1に付加価値をもたらすという重要な目標も達成できるはずだ」
Adam Cooper
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