【エプソムカップ展望】レーベンスティール&ヴェルトライゼンデが中心 〝上がり馬〟も多数スタンバイ
[GⅢエプソムカップ=2024年6月9日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝1800メートル] 英ダービーなどが行われる伝統あるエプソム競馬場から寄贈賞を受けて1984年に創設されたエプソムカップ。春のGⅠシーズンが終わったタイミングだけに大物の出走こそないが、過去10年の勝ち馬のうち、ルージュバックを除く9頭が年齢にかかわらずここで重賞初制覇を達成と〝フレッシュ〟なレースとなっている。今年も新星誕生となるか? それとも実績馬が底力を見せつけるのか? 59キロの斤量が示すように実績最上位はレーベンスティール(牡4・田中博)だ。海外帰りで今年初戦となったGⅢ新潟大賞典は1番人気を裏切る11着大敗。昨秋のGⅡセントライト記念では皐月賞馬ソールオリエンスを一蹴しており、前走の走りがこの馬の能力ではあるまい。叩き2戦目、1勝クラスとはいえ5馬身差圧勝の東京芝千八の舞台で巻き返しを期す。 58キロを背負うヴェルトライゼンデ(牡7・池江)は約1年2か月ぶりの実戦。重賞2勝(GⅡ日経新春杯、GⅢ鳴尾記念)にGⅠジャパンCでも3着に入るなど積み上げた実績はレーベンスティールに引けを取らない。長期ブランクはカギになるが、攻め量は豊富でいきなり力を出せそう。 昨年のGⅢ中京記念勝ち馬セルバーグ(牡5・鈴木)はその後なかなか結果が出ていないが、ハイラップを刻んで3着に粘った2走前のGⅢ小倉大賞典が上々の内容だった。けれんみのない逃げで東京の長い直線を押し切れるか。また、逆に差し脚勝負になれば、GⅢダービー卿CT4着で重賞通用の力を見せたニシノスーベニア(牡5・上原博)、GⅠヴィクトリアマイル5着など東京での切れ比べに強いルージュリナージュ(牝5・宗像)らも浮上の余地はありそう。 一方、魅力ある上がり馬も多数スタンバイ。キャリアを積みつつ力をつけてきたグランディア(セン5・中内田)、条件クラス連勝で軌道に乗ってきた感のサイルーン(セン5)、ジェイパームス(牡4)の堀厩舎2騎、東京2戦2勝のラケマーダ(牡4・千田)らが勢いに乗って実績組を打ち負かすことができるか。
東スポ競馬編集部