劇的で必然の同点弾 カターレ・碓井「自分の力でJ2に」
●苦手な頭で2発、後半追加タイムに今季チーム8点 J2復帰を決めたのは今季のカターレ富山を象徴するゴールだった。7日のJ2昇格プレーオフ(PO)決勝の試合終了間際、「自分の力でJ2に上げる」と願い続けた上市町出身のFW碓井聖生選手(23)が苦手なヘディングでゴールネットを揺らした。チーム今季8点目となる後半追加タイムの劇的弾は昇格争いを勝ち抜き、J2で戦う資格をつかんだ「泥臭く諦めないチーム」に成長した必然だった。 【図表】カターレ富山の歩み 「気持ちが前面に出て得点を決められた。今までの人生で最高の瞬間」。クラブ史上最大の決戦で、大仕事をした碓井選手は喜びいっぱい。 「自分のゴールで富山を盛り上げる」。碓井選手は入団以来、ずっとこう言い続けてきた。松本山雅FCに2点を先行される苦しい展開で、後半35分、アディショナルタイムに立て続けに、頭でゴールにたたき込み、ゴール裏のサポーターを熱狂させた。 クロスからのヘディングは決して得意ではなく、プロになって頭で決めたのも初めて。それでも「ハーフタイムに諦めている人は一人もいなかった」と愚直にゴールを狙い続けて結果につなげた。 ●小田切監督「諦めない姿勢」 試合終了間際の値千金の得点に、左伴繁雄社長は「富山のゴール裏に向かって点を入れている。一緒に戦っているサポーターの思いが入っている」と話した。富山市出身の小田切道治監督が「美しいサッカーはできないが、諦めない姿勢は見せられる」を体現したゴールで、悲願のJ2をたぐり寄せた。 地元選手の意地を見せた碓井選手は「J2でも勝利できるように頑張る。次はJ1昇格に向けて得点で貢献する」と満面の笑みを浮かべた。