LiSAが語る、13年にわたり大切にしてきた、人と混ざり合うことで生まれる化学反応
キタニさんから見た私って、洗脳しているように見えているのかな(笑)
─一方、カップリングの「MAKE A MiRACLE」はストレートなロックチューン。レコーディングやライブでもお世話になっているPABLOさんが作曲・編曲を担当した、ボートレース2024 TVCMタイアップソングとしてオンエア中の1曲です。 LiSA:まずタイアップのお話をいただく前に、私のライブに対する感覚をステージ上で共有してくれているPABLOさんと、「このライブの中にどういう場面が欲しいか?」みたいな会話をよくしていて。その中で「こういう景色を一緒に作りたい。そのために、ステージの上で何を起こしていくか?」という話になり、私がパンクロックを好きになるきっかけとなったアヴリル・ラヴィーンと出会ったときのように「なんかよくわかんないけど、音楽って楽しいよね!」みたいに発散できる音楽を一緒に作りたいなということで、この楽曲を一緒に作っていきました。そこにボートレースのタイアップのお話をいただいて、先方さんがこの曲を気に入ってくださったんです。 ─じゃあ、歌詞はタイアップが決まってから制作した? LiSA:そうです。最初の仮歌詞の段階では、ただ心地よく響く言葉をハメただけだったんですけど、冒頭の〈どんどんスピードを上げて〉っていうフレーズだけはすでに存在していて。先方もこのフレーズを気に入ってくださったようなので、そこだけ変えずに書き換えました。 ─なるほど。そこはボートレースとリンクするものがありますものね。この曲は聴いた瞬間にステージ上でのLiSAさんの姿が思い浮かびますが、リスナーやオーディエンスと共有する上で意識したことは? LiSA:メロディも歌詞もですが、1回聴いただけでその意図が伝わるシンプルな内容なので、自分自身が楽器になって「みんなと楽しみたい!」とか「ミラクルを作っていくぞ!」みたいな意気込みが伝えられるといいなと思いながら歌っています。 ─続いて、3曲目「洗脳」。キタニタツヤさんが楽曲制作した、ボトムが重めで非常に攻めたオルタナティヴロックナンバーです。 LiSA:キタニさん自身がすごく多彩で、本当にいろんな音楽を聴いてらっしゃって、しかもすべてにおいて深い愛を持って接していらっしゃる方という印象で。“キタニチャンネル”なるものがいろいろあると思うんですけど、私と同じ時代のロックが好きなんだろうなっていう感覚をキタニさんのアルバムを聴いて感じていたので、そういう面白いことを一緒にやりたいなと思ってお声掛けしました。『LANDER』ツアーを観に来てくださったんですけど、そのライブを観てから「洗脳」を作ってくださったんです。 ─そうだったんですね。ということは、ライブで観たLiSAさんのイメージがこの歌詞に反映されているのかもしれませんね。 LiSA:キタニさんから見た私って、洗脳しているように見えているのかな(笑)。 ─(笑)。にしても、「洗脳」ってなかなか強い言葉ですよね。 LiSA:ですよね。〈目を見ろ〉というフレーズみたいに強い命令口調の歌詞って、実は私のこれまでの楽曲にはほとんどないんですよ。それを私に歌わせるぐらい、キタニさんにはライブでの私が強く見えたのかもしれませんね。もしくは、これを私に歌ってほしいと託してくださるようなライブができていたのかな。 ─そういういった歌詞と、どうのように向き合いましたか? LiSA:よりストレートに、カッコいい自分で歌えるようにしました。私の中にもいろんな歌のチャンネルがあるんですけど、「ブラックボックス」とも「MAKE A MiRACLE」とも全然違う、ストレートな叫びのような歌です。 ─〈これは、ここにきたお前を/新たな曲で抱き締めるような洗脳〉というラストの2行なんて本当に強いですものね。 LiSA:面白いですよね。いろんな知識を深く処理する能力がめちゃくちゃ強いのは、きちんとトレーニングを重ねてきた結果なのかなと。だから歌詞の一つひとつに対してなんとなく当ててはめているような、ふわっとしているところが一切ないんです。 ─確信めいたものが伝わってきますものね。しかも、それをLiSAさんに歌わせようとするという。 LiSA:そこなんですよ(笑)。特にキタニさんはソングライターとして作家のお仕事もされているので、こういう人生とか自分の価値観を歌う楽曲を人に託すのって難しいんじゃないかなと思うんです。自分で歌うぶんには責任を取れるけど、それを人に歌ってもらうとなると……。私の場合は恋愛で託されるのが一番なりきれるし、作家の方たちもどちらかというと恋愛というオブラートに包んで自分の気持ちを託してくださる方が多い印象だったんですけど、こういう責任を背負わせてくれるような楽曲を託してくださる作家さんはなかなかいらっしゃらないので、そこもすごいなと思いました。 ─LiSAさんはこれまでも多くのアーティストから楽曲提供を受け、歌詞においてもご自身が作詞していないものを歌う機会も多いですが、その都度「他者から見たLiSA」のイメージをいろんな表現で受け取るわけじゃないですか。 LiSA:それはすごく実感していますし、ひとつ前の作品ですけどツミキさんとご一緒した「ハルシネイト」のときもその印象を受けました。ツミキさんも本当にいろんな手札を持っていて、いろんなことができる方なんですけど、その中で「私ってミツキさんにこういうふうに見えていたんだ」という気づきもたくさんあって。それは今回のキタニさんでも強く感じたことで、13年にわたっていろんな人に「私が知らないLiSA」を引き出してもらいながら、常に自分を更新し続けてこられたんだなと思います。きっとそれがソロアーティストの楽しさなんでしょうね。 ─いろんな出会いが化学反応を起こして、どんどん新しいことにつながっていく。このシングルを聴くと、そこをより強く感じました。 LiSA:やっぱり、自分自身がワクワクすることをやり続けたいじゃないですか。私は制作のたびに毎回「これが最高だ!」と思って向き合っているんですけど、そこに満足は全然していなくて。だから、「ちゃんとワクワクしてる?」って自分自身に聞けるような活動ができているかどうかをすごく大切にしています。あと、私はひとりだけではワクワクできないんですよ。私はシンガーソングライターというわけではないので、LiSAという人間を誰かの作ってくださった音楽と混ぜたときに起こる化学反応を見ることでワクワクするし、その楽曲がお客さんと混ざり合ったときにまたワクワクする。「えっ、これができるんだったらもっとこういうことやってみたい!」みたいに人と混ざり合うことで次の未来が見るというか、人が作ってくれた希望をつないでここまで来た感覚があるんです。 ─LiSAさん自身のことではあるんだけども、ちょっと俯瞰で「LiSAという活動体」を楽しんでいるような。 LiSA:そうですね。自分ファーストももちろん大事ですけど、LiSAというアーティストに関してはそれ以上に「これを使ってより良いもの、より面白いことができる」ことのほうが大切なのかな。そこがブレなかったから13年もワクワクし続けられたし、これからも変わらないんじゃないかと思っています。 <リリース情報> LiSA 『ブラックボックス』 2024年8月21日リリース [CD] [配信] 初回生産限定盤(CD+GOODS) 価格:2200円(税込)VVCL 2540~1 [CD] 1. ブラックボックス(作詞:秋田ひろむ (amazarashi) 作曲:秋田ひろむ (amazarashi) 編曲:出羽良彰) 2. MAKE A MiRACLE(作詞:LiSA 作曲:PABLO a.k.a. WTF!? 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?) 3. 洗脳(作詞:キタニタツヤ 作曲:キタニタツヤ 編曲:江口 亮) 4. ブラックボックス -Instrumental- [GOODS] ・フォトブックレット(20P) ・ステッカー(4枚組) 通常盤(CD) 価格:1430円(税込)VVCL 2542 [CD] 1. ブラックボックス(作詞:秋田ひろむ (amazarashi) 作曲:秋田ひろむ (amazarashi) 編曲:出羽良彰) 2. MAKE A MiRACLE(作詞:LiSA 作曲:PABLO a.k.a. WTF!? 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?) 3. 洗脳(作詞:キタニタツヤ 作曲:キタニタツヤ 編曲:江口 亮) 4. ブラックボックス -Instrumental- 期間生産限定盤(CD+Blu-ray) 価格:2420円(税込)VVCL 2543~4 [CD] 1. ブラックボックス(作詞:秋田ひろむ (amazarashi)作曲:秋田ひろむ (amazarashi) 編曲:出羽良彰) 2. MAKE A MiRACLE(作詞:LiSA 作曲:PABLO a.k.a. WTF!? 編曲:PABLO a.k.a. WTF!?) 3. 洗脳(作詞:キタニタツヤ 作曲:キタニタツヤ 編曲:江口 亮) 4. ブラックボックス -Instrumental- 5. ブラックボックス -TV ver.- [Blu-ray] 1. ブラックボックス -MUSiC CLiP- 2. MAKE A MiRACLE -MUSiC CLiP- 3. ブラックボックス -NieR:Automata Ver1.1a 第 2 クール non-credit opening- ※アニメ描きおろしイラスト使用デジパック仕様 ※アニメ描きおろしイラスト使用ステッカー同梱 <ライブ情報> ソニー銀行 presents「LiSA LiVE is Smile Always~COCKTAiL PARTY~」[SWEET&SOUR] 9月14日(土)大阪城ホール ※SWEET 9月15日(日)大阪城ホール ※SOUR 9月21日(土)ポートメッセなごや 第1展示館(愛知) ※SWEET 9月22日(日)ポートメッセなごや 第1展示館(愛知) ※SOUR 9月28日(土)横浜アリーナ(神奈川) ※SWEET 9月29日(日)横浜アリーナ(神奈川) ※SOUR 10月19日(土)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SWEET 10月20日(日)真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(北海道) ※SOUR 11月3日(日)マリンメッセ福岡A館 ※SWEET 11月4日(月祝)マリンメッセ福岡A館 ※SOUR 11月16日(土)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SWEET 11月17日(日)セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城) ※SOUR 11月30日(土)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SWEET 12月1日(日)国立代々木競技場第一体育館(東京) ※SOUR 12月14日(土)サンドーム福井 ※SWEET 12月15日(日)サンドーム福井 ※SOUR ※DAY1 が SWEET・DAY2がSOUR となります。 チケット情報 指定席/着席指定席/車椅子席 11000円(税込) ※チケット販売に関する詳細はオフィシャル HP をご確認ください。 LiSA Official Website
Tomokazu Nishibiro