放置すると危険な便秘とは⁉意外な原因と危険な便秘の見分け方を医師が解説
Q.便秘の予防や改善のために、どのようなことに気をつけたらいいですか
便秘を予防・改善するためには、以下のポイントが重要となります。おすすめの習慣も合わせて参考にしてみてください。 ・バランスの良い食事: 食物繊維を豊富に含む野菜や果物、全粒穀物を摂取し、水分をしっかり補給しましょう。朝食にオートミールとフルーツを取り入れるのがおすすめです。 ・適度な運動: ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を日常生活に取り入れることで、腸の動きを促進します。毎朝20分のウォーキングを習慣にするといいでしょう。 ・規則的な生活: 朝食後にトイレに行く習慣をつけ、排便を我慢しないようにしましょう。朝は時間に余裕を持って、朝食をしっかり食べることも大事です。 ・ストレス管理: リラクゼーションや趣味を楽しむ時間を確保し、自律神経のバランスを整えます。寝る前10分間の瞑想がいいとされています。 ・正しい便秘薬の選択: 依存性の少ない非刺激性下剤(酸化マグネシウムやポリエチレングリコール)を使用し、必要に応じて医師に相談しましょう。刺激性下剤(市販の便秘薬の多くがこれにあたります)を使う場合も、自己判断で頼りすぎないことは非常に大事です。
Q.病院を受診したほうがいい便秘にはどのようなものがありますか
次のような便秘の場合は、病院を受診することを検討してください。 ・1週間以上便が出ない場合: 目安として1週間以上排便がない場合や、通常の排便リズムと比べて極端に変化がある場合。 ・急に便秘になった場合: これまで快調だったのに、急に出なくなったなどの変化があった際には注意が必要です。生活習慣の変化による一時的なものではなく、病的な原因が疑われます。 ・便秘と下痢を繰り返す場合: 過敏性腸症候群や腸疾患の可能性があるため、精密検査が必要です。下痢と便秘が1週間ごとに交互にくるなどの場合には、大腸カメラなどの精査が必要となるケースがあります。 ・激しい腹痛や嘔吐を伴う場合: 腸閉塞や重篤な消化器疾患の可能性があります。食事を摂るたびに吐き気や痛みがあるときには受診をおすすめします。 ・便に血が混ざっている場合: 裂肛(れっこう)や痔、さらには大腸がんなどの可能性を確認する必要があります。特に鮮血だけでなく黒っぽい血が混ざる便であれば早めの受診が必要です。 教えてくれたのは… 鈴木隆二 理事長 医療法人社団筑三会理事長 消化器外科専門医(筑波胃腸病院、千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック・健診プラザ)。聖マリアンナ医科大学卒業。東京女子医科大学消化器病センター助教を経て、筑波胃腸病院、千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック・健診プラザの理事長に就任。日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医、茨城ヘルニア研究会世話人、麻酔科標榜医、産業医、難病指定医。 取材/文:山名美穂 編集:サンキュ!編集部
サンキュ!編集部