ストップ・ザ・バファローズ! リーグ4連覇を目指す王者・オリックスにつけ入る隙はあるのか?
そんな逸材たちを運用する中嶋監督の手腕も改めて確認しておきたい。 「山本でも開幕直後は無理に中6日で使わない。山下がケガなら日本シリーズで使わない。中継ぎは役割を完全固定せず、年間50試合以上をほぼ投げさせない。野手も調子を見極めて使うなど、目先の1勝に固執せず、長期的視点が徹底できる監督です」 一方、短期決戦では気になる点もあるという。 「去年の日本シリーズでは宇田川を起用すべき場面で温存し、結局、その後に投げさせたものの後手に回って負けた試合もありました。ペナントレースでは確実に計算できるので、素晴らしい監督であるのは間違いないですが、短期決戦も勝ちきるにはペナントとは違った戦い方も必要になる。その手腕に期待したいです」 中嶋監督といえば、昨季も135通りの打順を組んだ〝猫の目打線〟でも有名だ。 「投資と一緒で、センスや感情を排除して、一定のルールで機械的にこなしていくやり方でも結果は出る。ただし、本当に大きな結果を出すのは、自分の感覚やセンスを基にその場その場の判断ができる人。中嶋監督はまさにこのタイプ。 加えて、ちゃんと2軍戦もチェックしている。いいと思ったらすぐに1軍に上げて起用する点も素晴らしいです」 調子がいい選手をすぐに使うことは、なかなかできないことだという。 「他球団ではレギュラーを固定しすぎた結果、せっかく調子がいい選手を1軍に上げてもずっとベンチに置き、かえって試合勘が鈍る、なんてこともあります。でも、オリックスは信賞必罰と実力主義を徹底。昨季序盤もショートの紅林弘太郎の状態が良くないとみると、野口智哉を起用。紅林の発奮を促しました」 そして、「本物であれば、抜擢されたら結果で示すはず」とお股ニキ氏は続ける。 「山本がいなくなるのはチームとしては大ピンチだけど、選手にとっては大チャンス。もし齋藤響ら若手が本物なら、この機会を大投手への足がかりにするはずです」