ストップ・ザ・バファローズ! リーグ4連覇を目指す王者・オリックスにつけ入る隙はあるのか?
■画一的な育成方針で〝メジャー級〟が続々 オリックスの強さは、選手個々の力量だけにあらず。その選手を目利きし、育て上げる〝球団力〟も大きな要因だ。 「親会社も体力はあるが、目先の結果のために大金をかけることなく、堅実経営で大きく間違えることがない。他球団からすれば、力のあるチームが的確に動くため、とてもいやらしいです」 改革のきっかけは14年、わずか2厘差で優勝を逃した悔しさではないか、とお股ニキ氏は分析する。 「あの年以降、ドラフトの指名傾向が変わり、1位選手を中心にどんどん活躍するように。その選手たちが20年代になって主力となった。10年代に隆盛を誇ったソフトバンクがピークを過ぎ、覇権が入れ替わったんです」 近年、特に徹底しているのが〝育成重視〟の姿勢だ。 「ドラフト戦略も的確だし、大阪・舞洲に最新のファーム施設をつくり、指導陣には中嶋監督、中垣征一郎巡回ヘッドコーチら日本ハムの日本一を支えたスタッフを招聘した上で、確かな方法論で育成。次々と戦力に育て上げています。 山本も吉田正尚も、指名当初はメジャーにポスティング移籍するほどの選手に成長すると思っていた人は、ほとんどいなかったでしょう」 画一的な指導により、野手も投手も同じようなスタイルの選手が多い、とお股ニキ氏は語る。 「投手は剛腕タイプが多く、球速があってフォークが良いので三振を奪える。つまり、自力でアウトが取れる。結果として、守備への影響が小さくなります。 キレや球筋、配球など、総合的な投手力を求めるのが阪神だとすると、オリックスはメジャー的な〝球の質自体を重視する投手力〟を追求しています。その上で、捕手の若月健矢の配球も洗練されていて、投手の能力を最大限に引き出せています」 実際、前述した山下や齋藤響をはじめ、若手投手が毎年のように台頭するのも、オリックスの好循環を支えている。 「西川の人的補償で広島に移籍した日髙暖己も、今季のブレイク候補。そんな選手がプロテクト漏れするほど層が厚いといえます。今季も、育成の川瀬堅斗が支配下登録されて1軍で活躍する可能性があると思います」