“初体験”が早いと「脳卒中」や「心筋梗塞」などの心血管疾患リスク増加 中国研究グループ発表
中国の浙江大学医学院らの研究グループは、「性行動と12種類のCVD(心血管疾患)との関連を調査したところ、8種類のCVDで初交年齢が低いほど発症リスクが上昇するという因果関係が認められた」との研究結果を発表しました。この内容について中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
発表した研究内容とは?
編集部: 中国の浙江大学医学院らによる研究グループが発表した研究内容について教えてください。 中路先生: 中国の浙江大学医学院らの研究グループは、性行動と12種類のCVDの関連性を調査しました。研究成果は学術誌「Frontiers in Cardiovascular Medicine」に掲載されています。 研究グループは初交年齢と性的パートナー数、そして狭心症、心房細動・心房粗動、アテローム性動脈硬化、大動脈解離、下肢深部静脈血栓症、心不全、高血圧、脳内出血、虚血性脳卒中、心筋梗塞、肺塞栓症、くも膜下出血といった12種類のCVDとの関連を調べました。 その結果、初交年齢と有意な負の関連が狭心症、心房細動・心房粗動、アテローム性動脈硬化、下肢深部静脈血栓症、心不全、高血圧、虚血性脳卒中、心筋梗塞で認められたことがわかりました。また、初交年齢が低いほど発症リスクが有意に高くなったということも明らかになりました。さらに、これらのリスクについては男女で差が見られ、初交年齢と狭心症、心房細動・心房粗動、アテローム性動脈硬化との関連は女性の方が男性よりも強くなることがわかりました。なお、性的パートナー数とCVDとの因果関係については、男女ともに認められませんでした。 不眠、高強度の身体活動を10分以上おこなった日数、テレビの視聴時間の3因子について解析すると、「これらの3因子が初交年齢とCVDとの関連を部分的に媒介していることがわかった」と研究グループは述べています。研究グループは「これらの危険因子を回避することが、CVDの新たな予防・管理方法になる可能性がある」とし、「初交年齢とCVDを関連付けるメカニズムは完全には解明されておらず、さらなる研究が必要である」ともコメントしています。