フィアット「500e」の背後に映る建物は、建築家の藤原徹平が手がけた「CHIFFON」。その名のとおり、シフォンケーキの専門店です。

ゴールデンウィーク中のリフレッシュにもピッタリな、千葉の房総半島にある複合施設「クルックフィールズ」へフィアットの名車「500e」で向かいました。 【写真集：クルックフィールズ】豊かな自然のど真ん中に宿泊。サステナブルな暮らしを体験！

サステナブルな循環の輪に入っていけるクルマです

2020年にヨーロッパでデビューしたフィアット「500e」は、ルックスこそ従来のエンジン仕様と大きく変わらないものの、全体の96%が新設計されています。

千葉県木更津市のクルックフィールズは、「サステナブルな社会を実現したい」という音楽家の小林武史さんの考えを形にした、約30ヘクタールの広大な施設です。こう書くと少し堅苦しくなりますが、広々とした敷地には畑や酪農施設がゆったりと配置され、訪れた人はそこで収穫された太陽と土の恵みを味わうことができます。 草原や公園でリラックスする人がいれば、点在するアート作品を鑑賞したり、図書館の蔵書を手に取る方もいます。農業や自然環境、芸術に思いをはせることで、自身のライフスタイルを考え直すきっかけを与えてくれる場所なのです。

1950年代のフィアット「500」をモダンに再解釈したデザインが秀逸です。

フィアットが誇る名車「500（チンクエチェント）」は、1957年に誕生して以来、世界中で愛され続けているコンパクトカーです。その愛らしいデザインと親しみやすい価格で、多くの人々を魅了し続けてきました。 映画『ローマの休日』にも登場したことでも知られる500は、まさにイタリアのアイコン的存在と言えるでしょう。そして忘れられないのが、漫画・アニメ「ルパン三世」の愛車でもあること…。 そんな「500」が、EV（電気自動車）に生まれ変わったのが、フィアット「500e」というわけです。ガソリン車と比べて環境負荷が低く、静粛性に優れているだけでなく、取り回しも良く街乗りの最適解とも言える車です。

サークルの内側で、循環型社会が実現しています

施設内の牛舎では、本州での飼育が珍しいとされる水牛の姿が。採れたての新鮮なミルクから作られるチーズは絶品。

そんなフィアット「500e」で出かける場所を考えたときに、真っ先に思い浮かんだのがこのクルックフィールズでした。 「豊かな未来を迎えるために何ができるのか？」－－そんなことを考えながら、フィアット 500eで木更津へ向かいました。

エントランスに隣接するマーケットでは、クルックフィールズの畑で収穫されたオーガニック野菜やハーブ、地元の食材を使ったフードなどが販売されています。

クルックフィールズでは、太陽光発電の電力で動くポンプで水をくみ上げ、微生物で排水を分解・浄化します。こうして、調整池の水辺には多様な動植物が育つビオトープが生まれました。 また、ニワトリや牛のふんは堆肥となって土へと返ります。つまり、この施設の中で持続可能な循環型社会が実現しているのです。