ペレス最大の支援者、テルメックスのスリム会長が更迭の噂に不満「彼には契約があるのに、そんな疑問が出るのがよく分からない」
セルジオ・ペレス(レッドブル)の最大の支援者である、テルメックス・グループ会長であるカルロス・スリムがmotorsport.comの取材に応じ、「彼には契約があるのに、疑問が生じるのはおかしい」と語った。 【動画】20年でF1マシンはどれだけ変わった? レッドブル、2005年RB1と2024年RB20を雨のシルバーストンで走行比較 今季は特に厳しい戦いを強いられているペレス。アメリカGPを終えた段階では合計150ポイント獲得のランキング8番手……354ポイントを獲得しランキング首位につけるチームメイトのマックス・フェルスタッペンに大差をつけられている。トップ4チームのドライバーの中で最下位であり、唯一今季未勝利となっているということもあり、レッドブルとの契約が早期に解消される可能性も取り沙汰されている。 そのペレスの最大の支援者であるのが、メキシコの通信企業テルメックスの会長であるスリム氏である。ペレスはカート時代からテルメックスのサポートを受け、F1にたどり着いた。その巨額のスポンサー収入が、ペレスのレッドブル残留を後押しする一因であるとも言われる。 「彼は将来のことについては明確にしていると思う。なぜ多くの疑問がいまだにあるのか、分からないね」 ペレスの来季はどうなるのか? そう尋ねられたスリム会長はそう語った。ペレスのレッドブルとの契約は今年限りだったが、6月にはこれが2026年まで延長されたことが発表されていた。 「彼には契約があるし、彼はそれをハッキリと認めた。クリスチャン(ホーナー/レッドブル代表)もそれを認めたんだ」 しかしペレスが苦戦しているのは紛れも無い事実。スリム会長が「もっと良いマシンを手に入れること」がペレス復活のために必要はことだと指摘した。 チームメイトと同じパフォーマンスのマシンを与えられていると思うかと尋ねられると、スリム会長は次のように語った。 「私はそれほど詳しくはないのでよく分からない。しかしフェルスタッペンでさえ、シーズンはじめのような競争力を発揮するのは、難しくなってきていると思う」 「チームは、かつてのような優位性を取り戻せるようなマシンを用意するために、一生懸命働いていると思う。そして彼らが”武器”を手にすれば、それを非常に説得力のある形で走らせることができるのは間違いない。そのことは、我々全員が知っているはずだ」 なおレッドブルのホーナー代表は、シーズン終了後のアブダビテストで、現RBの角田裕毅にレッドブルRB20をドライブさせることを明言。RBのダニエル・リカルドを更迭し若手のリアム・ローソンを起用したことも、ペレスの後任を探すプロセスの一環と見られている。
田中 健一 Luis Ramírez