「がっちゃんこ」意味分からずスマホで検索 おじさん言葉と若者言葉、互いに「?」の連続だけど…嘆くより言葉の変化楽しんでは
それってどういう意味? 数年前から交流サイト(SNS)で話題になっている「おじさんビジネス用語」。おじさん世代には使い慣れた言葉でも、1990年代半ば以降に生まれたZ世代には意味不明…。でも次々と生まれる若者言葉もおじさんにとっては「?」の連続かも。互いに「意味が分からない」と嘆くより、言葉の変化を楽しんでは。 【グラフ】音頭をとる・ツーカー・ロハ…おじさんビジネス用語、Z世代が正確に意味が分かるとした割合
■おじさんビジネス用語、意味が分かるZ世代は3割未満
「ひとまずがっちゃんこしておいて」。広島市安佐南区の会社員女性(28)は、営業先に渡す書類を上司に提出した時の指示に戸惑った。「はい」と返事をしたものの意味が分からない。席に戻ってすぐにスマートフォンで検索。「『くっつける』みたいな意味とは感じたけど…。取引先に出す書類。何か勘違いがあってはいけないと思って」。女性は単語の意味が分からず、上司に尋ねてあきれられた経験があり、それ以来「その場はやり過ごして後から調べてます」と苦笑いする。 言語学習アプリ開発の米Duolingoは2023年、18~76歳の全国1002人を対象に「おじさんビジネス用語」の調査を実施。10個の単語について意味が分かるかどうかを尋ねた。「がっちゃんこ」もその一つ。Z世代で意味が分かると回答した割合は22%だった。「ツーカー」「音頭をとる」…。いずれの言葉についても、意味が分かるとしたZ世代は3割を下回った。 西区の会社員男性(51)はおじさんビジネス用語をよく使うという。「よしなに頼む」「全員野球で頑張ろうや」―。「若かったころ、先輩が使っていてかっこよかった。他の言葉で伝えられないニュアンスがあり、若手にも通じてほしい」。ただ調査結果を伝えると「死語を使っていたのかもと思うとショック」と少し悲しそうな表情を見せた。 多くのZ世代には通じない「おじさんビジネス用語」だが、長年使われてきたのには理由がある。宇都宮大の堀尾佳以(けい)講師(現代日本語学)は「仲間意識を高める一つの手段だった」と説明する。バブル期に言葉遊びや隠語として生まれた言葉が多く残っているという。堀尾講師は「業界用語も多く、テレビや職場を通して今の50代以上に広まった」と推測する。