【高校サッカー選手権】相模原弥栄が桑本暖のドラマチックな一撃で日大高を破り準々決勝へ進出
10月20日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選3回戦が行われ、日大高と対戦したインターハイ県予選4強の弥栄が1-0で勝利し準々決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】日大高 vs 弥栄 「疲れました(笑)。痺れました」 試合後、相模原弥栄・菅野光裕監督の言葉通り、相模原弥栄にとって正にドラマティックな試合だった。 開始直後から日大高はFW10秋山誠二が右サイドを突破してチャンスを作ると9分、MF8吉﨑颯人の右からのクロスをMF11菅沼修翔が合わせるが枠は捉えられず。12分にはCKをニアでDF3 野地﨑梨玖がヘディングで擦らすがこれも枠の外へ外れてしまう。これに対し、相模原弥栄も徐々に本来のリズムを掴み出すと飲水明けの24分、右からのFKのセカンドボールをDF2小槌健斗が、32分にはCKからFW11西村駿が頭で狙うがいずれも枠を捉えることが出来ない。結局、前半は互いにゴールを奪うことができず、勝負は後半へと持ち越される。 前半の戦いを見て相模原弥栄は「狙いをもって展開を広げていった方が、日大の守備は崩せる」と判断した指揮官の指示で、後半に入るとロングフィードから左右に大きく揺さぶりをかけ、流れを引き寄せにかかると徐々に運動量の落ち始めた日大高にファールが目立ち始める。71分にはゴール左手前からのトリッキーなFKに飛び込んだ西村が頭で合わせるが、これは惜しくもポストの左を抜け先制ゴールとはならない。 すると78分、左サイドで相手DFとの競り合いに勝った小槌からの折り返しを「俺に上げて来い」とゴール前に走り込んだFW10桑本暖がドンピシャでヘディング。これが見事にゴールネットに突き刺さり、相模原弥栄が土壇場でようやく先制に漕ぎつけた。 何とか追いつきたい日大高もここから粘りを見せアタッキングサードに居座り続けるものの、相模原弥栄も最後まで集中してこれに対応、結局ゴールを割らせず1-0で勝利し準々決勝進出を決めた。 試合後、菅野監督は「もう少し早く決められる場面があったと思うのですけど、なかなか点が入らなかった。それでも今日は守備が失点ゼロで抑えてくれて、キーパー含めてほんとに頑張ってくれたと思います。ワイドに深いところを狙って(点を)取りに行きたいっていうのを考えてやってましたので、実際それが得点につながって良かったと思います。最後の日大さんの粘りに対しても粘り強くできたので、選手全員褒めたいと思います」と笑顔で選手を労った。 キャプテンのDF3原田泰地は「前半思ったより日大が来なくて、ビルドアップとか苦戦していたのですが、終盤にタイミング良く出し入りして修正して後半に繋げられました。後半は相手も足が止まってきて、フリーの逆サイドに出して、そこからのクロスで点を取ることができて良かったです」と試合を振り返った。そして「次は創英か隼人どっちが来るかわからないですが、創英だったら関東予選でベスト16の時に負けているので、しっかりリベンジできるように1週間準備して、隼人が来たら日大のようなフィジカル重視のチームなので自分たちがそこに負けないようにしっかり対応していきたいです」と気を引き締めた。 決勝ゴールの桑本は「選手権はやっぱり緊張感もあって、なかなか自分たちのサッカーを出せなかったり、点も入らなくて難しい展開でしたが、最後良いところにクロスがドンピシャで自分のところに来て、決めるしかないなと思ってしっかり決め切れました」と喜んだ。そして「相手が創英だったら春1回負けてるので、そこでしっかりリベンジ果たして次の桐光まで行ってインハイのベスト4の記録を超えられるように頑張りたい」と意気込みを見せた。 一方、惜しくも一歩及ばなかった日大高・山内大輔監督は「1点勝負になるなっていう予測はずっとしていたので、前半のチャンスを取り切れなかったのと、給水後のところで一瞬の隙というか、ファウルを取られてしまってリスタートが増えてリズムを崩してしまいました。粘り強さは見せてくれましたけど、最後まで自分たちに矢印を向けきれなかったのは、私たちの指導も含めて、まだまだ足りなかったです」と悔やんだ。 (文・写真=西山和広)