午後3時のドルは154円台を上下、日銀や米次期政権にらみ思惑交錯
Shinji Kitamura [東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル安/円高の154円半ばで取引されている。12月の日銀金融政策決定会合や年明け後のトランプ次期米政権などを巡り思惑が交錯し、ドル/円は方向感を模索する形で上下する展開が続いた。 ドルは朝方の154円半ばから一時153円後半へ下落し、再び154円半ばへ切り返す方向感に乏しい動きとなった。 円が買われた午前は対ドル以外の通貨に対しても円買いが先行し、ユーロは163円後半から前半へ、 スイスフランは175円前半から174円半ばへ下落した。特段の手掛かりはなかったが、市場では「日銀12月利上げの可能性が払拭できないことが、円売りに歯止めをかけている」(外銀関係者)との声が聞かれた。 前日の市場では植田和男日銀総裁の講演後、ドルが153円台から155円台へ急上 昇した。LSGEデータによると、円金利先物市場が織り込む12月の利上げ確率は現在 46%と、据え置きの53%とほぼ拮抗している。 午前11時過ぎ、加藤勝信財務相が為替について「投機的な動向を含め、 為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きに対して は適切な対応を取っていく」などと述べたが、円相場に直接の反応はなかった。 午後に入り円買いが一巡すると、ドルは再び154円半ばへじり高となった。午前に低下基調をたどった10年債利回りが下げ渋ったことが手掛かりとする声もあったが、4.40%付近で大きな動きには至らなかった。 市場では、トランプ次期大統領が就任後、どのような政権運営を行うかに関心が集中している。減税や財政出動など多くの公約がドル高圧力となる見通しの一方、トランプ氏は輸出への影響を懸念してドル高に不快感を示した経緯もある。 さらに「ドル高をはじめとする『トランプ・トレード』がすでにある程度進んでいる ことも、どこまで織り込むべきかとの疑問につながっている」(国内証券アナリスト)面 もあるという。 ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 午後3時現在 154.40/154.44 1.0583/1.0584 163.43/163.44 午前9時現在 154.60/154.63 1.0594/1.0595 163.81/163.82 NY午後5時 154.65/154.67 1.0597/1.0601 163.91/163.93