NGではない、ゲームやスマホとの新しい関係性--自然と子どもの身体を繋げるゲームの可能性とは
今年7月、文部科学省が「日本の小中学生の50.3%が近視」と発表したのに続き、9月には全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)でも「世界的な近視人口の増加を食い止める必要性がある」と発表した。 全米科学アカデミーの発表に先駆けて「近視を病気として分類し、子どもが屋外にいる時間を増やすことで近視を抑制する必要がある」と発信しているのが眼科医の窪田良氏だ。 『近視は病気です』(東洋経済新報社)の著者でもある窪田氏と、国内シェアNo.1の登山GPSアプリの提供をはじめとする登山やアウトドア事業を展開する株式会社ヤマップ代表取締役社長の春山慶彦氏が、「子どもの近視」と自然体験で培われる身体づくりをテーマに6回シリーズで対談する。 【この記事の他の画像を見る】
第5回の今回は、子育て中の親からよく相談される「子どもとゲーム・スマホとの付き合い方」について。2人がそれぞれの立場や経験からその悩みについて語り合う。 ■ゲームの世界から抜け出せたきっかけ 窪田:台湾では国の施策として、子どもが小学校で過ごす時間の中で、1日2時間屋外で過ごすようカリキュラムに変更し、その結果、子どもの近視有病率を減少させることに成功。子どもの近視は環境によって発症することは、今や世界の常識となりつつあります。
全米科学アカデミーも、屋外活動によって太陽光を1日1~2時間浴びることで子どもの近視を抑制できると発表しました。 視力維持のために屋外で過ごすことの重要性が世界中で叫ばれるようになった一方、日本の子どもたち自身は屋外に出ることを面倒くさいと感じているケースも多いようです。 春山:それはとても大きな機会損失ですね。 窪田:眼科医として、「1日2時間の屋外で過ごすことの大切さは理解できたが、子どもがスマホやゲームばかりに没頭してなかなか屋外に出たがらない」という親御さんたちのお悩みをよく聞きます。春山さんは、山に登るようになってゲームを一切やらなくなったと伺いました。ぜひそのお話を聞かせてください。