韓国は来年「超高齢化社会」に突入…ターゲットは「アクティブシニア」
【09月20日 KOREA WAVE】韓国が超高齢化社会へ突入するのを前に、アクティブシニアとシルバー産業に注目が集まっている。 韓国行政安全省によると、韓国の65歳以上の住民登録人口は1000万62人で、住民登録人口5126万9012人の19.51%を占める。65歳以上が国民全体の5人に1人となり、急速に超高齢化社会に向かっている。これに伴い、シルバー産業も急成長している。 韓国保健産業振興院の調査によると、国内のシルバー産業の規模は2020年に72兆ウォン(約7兆9704億円)だったが、2030年には168兆ウォン(約18兆5456億円)へと2倍以上に成長すると予測されている。この市場を牽引するのが「アクティブシニア」だ。彼らは経済的に余裕があり、教育水準が高く、デジタル文化に精通し、体力的にも健康で、社会活動も活発にする「新中年世代」だ。 アクティブシニア世代が消費の中心に位置することを察知した市場は、シニアを直接ターゲットにした商品やサービスを次々と展開している。「KB国民カード」が6月にシニア層のクレジットカードやデビットカードの利用額を分析したところ、昨年の65歳以上のカード利用額は2019年比で81%増加し、全世代で最も高い増加率を記録した。これに伴い、各業界ではシニアやシルバー世代向けの多様な製品とサービスを提供している。 ◇学習教材・教育企業、シニア学生をターゲットに 伝統的な訪問学習教材企業は、競ってシニア向け教育を展開している。「クモン」は今年5月、50歳以上を対象とした「クモンアクティブライフ」をリリースした。「大人の学習教材」を掲げるクモンアクティブライフは、50歳以上の会員が目標に応じて希望する科目を選んでパッケージを構成できる。また、クモンの講師が週に1回訪問して学習管理をサポートする。リリースから4週間で1万件の契約を達成するほどの反響があった。新規会員を年齢別に見ると、50代が43.9%、60代が29.2%、70代以上が26.8%を占めた。学習科目としては漢字、英語、日本語の順で人気が高かった。 教育企業「大教」の子会社「大教ニューイフ」は、専門指導者がシニア家庭を訪問し、運動習慣を確立し、老化進行を予防するサービスをリリースした。プレミアム訪問リハビリテーションサービスは、国家公認の資格を持つ専門の理学療法士、健康運動管理士、作業療法士が家庭を訪問してリハビリ運動を提供する。年内に合計70箇所のセンター運営を目指している。 科学技術を活用した教育を意味する「エドテック」の関連企業「プレド」は、人工知能を活用してシニアの教育と健康管理をするデジタル学習教材を業界で初めてリリースする。プレドはソウル市の江南(カンナム)区庁、麻浦(マポ)区庁、龍山(ヨンサン)区庁などと「認知症予防のための認知療法開発」に共同で実証参加している。プレドのAI基盤シニア用教育プラットフォームは、オンラインとオフラインを連携させたAIブロックと認知療法コンテンツ、データ分析システムなどを通じて高齢者の認知機能を向上させる。また、家族や機関がプラットフォームを通じてデータを確認できるようにしている。 プレドのキム・グァンソク代表は「プレドAIシニアは、アクティブシニアのための認知学習プログラムや感性治療などを多様に反映する」と述べた。プレドは今後、海外市場への進出も模索している。 ◇マッチングアプリもシニア用登場…旅行同行サービスも人気 新興企業もシニアをターゲットにした商品やサービス開発に乗り出している。シニア向けのマッチングアプリは日本など海外ですでに利用されている。 50代以上のシニア向けマッチングアプリを標ぼうする「シノル」は、同じ関心事や希望年齢などを考慮して異性を探す、位置情報基盤のマッチングで大きな反響を呼んでいる。2022年にサービスを開始して8カ月で加入者数が1万人を突破し、50代から80代まで幅広い会員を確保している。月平均の利用者数は7000人に達する。最近では、悪質なユーザーを排除するために顔認証システムと24時間モニタリングシステムを導入し、サービスの安定性と満足度を向上させている。 また、70代から80代のシニア向け旅行同行サービスも登場した。2022年に設立された「フォペレンツ」は、旅行を通じてシニアの孤独を解消している。身体が不自由になり、従来のパック旅行を利用するのが難しいシニアを対象に、シニア専門の「バディ」が円滑な旅行をサポートするだけでなく、シニアの健康状態に応じてオーダーメイドの旅行コースを直接企画し、旅行の過程を写真や映像に収めてリアルタイムで家族らに伝える。最も人気のあるコースは韓国の旧大統領府「青瓦台」ツアーで、青瓦台本館などを見学することができる。フォペレンツは半日の日帰りコースから2泊3日の旅行まで、徐々に旅行商品を増やしている。 ◇シニアも「ムシンサ」へ…40~50代ファッションプラットフォームの成長 アクティブシニアは特定のブランドに限らず、さまざまなカジュアルや個性的なデザイナーズブランドにも関心が高い。年齢に関係なく自分の趣味を反映したブランドを好む傾向が見られ、それは代表的なファッションプラットフォーム「ムシンサ」を通じても表れている。「マクロビルエンブレイン」によると「ムシンサ」アプリの60代の利用率は2022年1月に0.9%だったのに対し、2023年8月には7.9%まで上昇し、他の年代よりも最も高い成長率を示したという。 ムシンサは、中高年層の間でフードTシャツやジーンズ、スニーカーのようなカジュアル衣類を着ることが広まったことで、ムシンサの利用率が高くなったと分析している。 ムシンサだけでなく、他のファッションプラットフォームでも同様の現象が見られている。カカオスタイルが運営する4050ファッションプラットフォーム「ポスティ」も昨年、中高年層を中心に利用客が増加し、取引額が前年に比べ150%上昇したと発表した。同じ期間に月間活性利用者数(MAU)も45%増加した。40~50代に続き、60代以上のシニア客が流入した結果だという。昨年、ポスティを利用した60代は前年に比べ129%増えたという。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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