セブン&アイ、米国で急ブレーキ 買収提案に対抗も主力市場不振
セブン&アイ・ホールディングスの海外事業に急ブレーキがかかっている。とりわけ海外収益の柱である米国で、物価高による消費低迷の影響が長期化。カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールの買収提案に対抗するには企業価値の向上が欠かせないが、主力市場の不振が思わぬ影を落としている。 セブン&アイはクシュタールの7兆円規模の買収提案に対し、コンビニ事業に集中して海外店舗網を拡大し、企業価値を高める防衛策を描く。 クシュタールが株式公開買い付け(TOB)に打って出た場合に防ぎ切れるのか見通しづらいため、創業家側は自社買収(MBO)による非上場化を検討する。9兆円ともされる資金の確保に向け、大手銀行などと水面下での協議を進めている。 セブン&アイは21年に米国でコンビニ店舗数3位のスピードウェイを買収した。GS併設型で給油と日用品の購入を一度に済ませられるスタイルが奏功し、海外コンビニ事業の営業利益を押し上げた。
だが25年2月期は、海外コンビニ事業の営業利益が前期比31.3%減の見通しだ。