元グーグル社員は40歳の金曜日にFIREして、月曜日にはもう後悔していた(海外)
貯蓄と経済的自立
40歳でリタイアしたデイヴ氏は、FIRE(経済的自立・早期退職)コミュニティの仲間入りを果たした。 彼女の場合、経済的な安定という観点から、早期退職をする決断を下した。 アメリカ合衆国で11年間働いたことで、物価の安いインドで余裕をもって暮らせる貯蓄ができた。退職時、サンフランシスコでおよそ10万ドル(約1500万円、1ドル=150円換算:以下同)の年収があった。 それ以前、ファイナンシャルアドバイザーの協力を得ながら、自分の貯蓄で退職後の支出をまかなえること、そして書籍の売上げとコンサルタント業からの収入で日々の請求書が支払えることを確認した。その際重要なのは「どこで暮らすか」だった。 「FIRE実行というアイデアは、私がインドにいるからこそ可能だった」とデイヴ氏は語る。「アメリカでは不可能だった」 「インドなら、やりたいことのほとんどが可能で、贅沢な暮らしを維持できる」と彼女は指摘する。デイヴ氏の話では、彼女は料理や掃除をするヘルパーを、月100ドル(約1万5000円)から200ドル(約3万円)で雇っていたそうだ。
早期退職から生じる困難
デイヴ氏の場合は、退職後の生活で人付き合いがなくなったのが大きな問題となったが、FIREコミュニティのメンバーのなかには、別の理由から再就職する人もいる。 「早期退職に向いていない人もいる」と、以前の記事でBusiness Insiderに指摘したのは、ファイナンシャルプランナーのジョヴァン・ジョンソン氏だ。同氏は60歳よりも若く退職する計画を立てるのは、労働者のなかでも少数派であり、早期退職生活を目指している人は、退職後に何をして暮らすのかをはっきりと考え、孤独な生活になる可能性があることを意識し、資金が尽きないように受動的所得をもたらす収入源を確保しておくべきだと指摘する。 グウェン・マーツ氏はBusiness Insiderに、早期退職してから9カ月で再就職したと語った。それは経済的な決断だった。 イリノイ州北部で支出と貯蓄を厳格に管理しながら暮らしていた彼女は、28歳で引退した。しかし、退職後まもなく、予期しない問題の数々に遭遇した。貯蓄の一部は退職金口座にひもづけられていたため利用できず、副業の収入だけでは不十分で、健康保険の支払いも増えたのである。 ミシェル・ジャクソン氏はBusiness Insiderに、FIREムーブメントに夢中になっていたが、最高の人生を送るために何年も待つのはいやだと思うようになった、と語った。彼女には借金があり、仕事で疲れていて、収入の50%以上を投資に回すのは意味がないと思えた。 デイヴ氏の場合、早期退職生活は4カ月で終わった。 退職後まもなく、バンガロールにある電気自動車用インフラ整備会社で特殊プロジェクトを率いる役職を得た。 「私は今、会社勤めをしているが、目標は以前と違う」とデイヴ氏は言う。「キャリアを積んだり富を築いたりするためではなく、毎日人々と交流し、ある意味、自分にとって予測可能な日々をつくるために働いている」
Shubhangi Goel