スバル、大泉新工場ではEV以外も生産検討-市場変化受け柔軟に対応
(ブルームバーグ): SUBARU(スバル)は1日、群馬県大泉町に建設予定の新工場では電気自動車(EV)以外の車も生産できる生産ラインとすることを検討していると明らかにした。EV市場の成長に減速感がみられる中、自動車各社で生産や販売の計画を見直す動きが広がっている。
スバルは大泉の新工場は環境規制や消費者動向を踏まえながら段階的に立ち上げることを検討しており、EV専用ラインとして立ち上げた後に、それ以外のパワートレインの車との混流生産を可能とする生産ラインの構想をしていると発表した。
また、2027-28年ごろから始めるとしていた米国でのEV生産については今回の発表資料では「引き続き検討中」とされ、具体的な時期は示されなかった。
スバルの大崎篤社長は1日の会見で、大泉の新工場での混流生産の構想について、「市場の受容の速度がいろいろ変化をする中で、われわれとしても柔軟性を持って立ち向かっていこうということを決めていたので、その想定の範囲の中での変化」と説明した。検討中とした米国のEV生産についても市場の状況をみながら「柔軟に対応することこそがわれわれの戦略なので、それに沿った動きだ」と述べた。
25年ごろに矢島工場(群馬県太田市)で始めるとしていた混流生産によるEV生産の計画については、大崎社長は「全く変わっておらず、きちんと計画に沿って立ち上げの準備をしている最中だ」と話した。
急成長が続いてきたEVの販売は政府の補助金支給の打ち切りや需要の一巡などにより減速しており、自動車メーカーによる計画の見直しが相次いでいる。スウェーデンのボルボ・カーが30年までに全ての新車をEVとする目標を撤回したほか、米フォード・モーターも8月にEV戦略の見直しを発表した。
スバルが同日発表した7-9月(第2四半期)の営業利益は市場予想を下回った。今期(25年3月期)の業績見通しは据え置いたものの、海外市場の足元の販売動向や在庫台数を踏まえ、通期の生産・販売台数計画をそれぞれ95万台と前期を下回る水準に下方修正した。