「母親に家を買ってあげたい」配達バイトの韓国20代、違法Uターンタクシーに命奪われる
【06月21日 KOREA WAVE】悲劇的な交通事故が起きた。 韓国の放送局JTBCやMBCなどによると、江原道春川市の路上で5月23日夜、バイクに乗っていたチェ・テフン氏(22・男)が、違法Uターンをしていたタクシーと衝突した。配達代行のアルバイトをしていたチェ氏は、家に帰る途中だった。チェ氏は病院に運ばれたが、4日後に死亡した。配達の報酬は1件あたり3500ウォン(約400円)だったという。 チェさんは50代の基礎受給者の母親、4歳年上の兄と一間の部屋に住んでいた。両親は、チェ氏が8歳の時に離婚し、兄弟は親戚の家や養護施設を転々とし、苦労した末に母親と一緒に暮らすようになった。家族で食べていくのは大変だったが、3人で一緒に暮らす瞬間は貴重だった。チェ氏は、母親を世話したいとの思いが強く、成人になるとすぐに働いてお金を稼ぐようになった。 軍を除隊した後、チェ氏は小さな会社に就職したが、給料がまともに出ないため退職し、最近他の職場を見つけた。求職中の兄に代わって実質的に家長の役割をしていたチェ氏は、新職場に出るまでの短い期間だけ、家賃を払うために配達の仕事をしていた。しかし、初出勤を目前に控え、チェ氏は事故で命を失った。 チェさんの兄によると、チェさんは勉強を続けて金銭的に面倒をかけることを避け、「仕事で成功して母の家を買ってあげたい」と話していたという。 チェ氏の遺族によると、タクシー運転手は一度も謝罪していないといい、違法Uターン死亡事故に関して厳罰を求めている。警察は、60代のタクシー運転手を交通事故処理特例法違反の疑いで不拘束で立件し、詳しい事故の経緯を調べている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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