「偏差値至上主義」から「校風重視」へ…? 2024年度首都圏中学入試を振り返って分かった、今年人気だった学校の“特徴”とは
2024年度の中学入試が終わりました。 今年の首都圏の受験者数は去年に比べて900人少ない6万5,600人と、9年ぶりに減少(コアネット教育総合研究所調べ)。 一方で、中学受験率は過去最高を記録し、やはり中学受験への関心は引き続き高いといえそうです。 【現役開成生が本音で語った】東大合格者数1位をキープし続ける「開成学園」ってどんなところ? “誇れる”ポイントは… そんな中、気になるのが、どこの学校が人気だったのか・・・ということ。 調べていくと、志願者を増やした学校に、いくつか傾向がありましたので、今回はその中から3つ!ご紹介したいと思います。
大学進学実績
中学受験をする目的の一つに「大学進学を考えたときに有利だから」ということがあります。 そのため、前年の大学進学実績が翌年の志願者数に大きく影響してきます。 とりわけ、東大や京大といった最難関国立大学の実績は、メディアに取り上げられることも多く、注目されます。 2024年度入試でいうと、駒場東邦がその一つです。 2023年度の東大合格者数が70人を超え、しかも理Ⅲが5名で開成や麻布を抜き、話題になりました。 その結果今年の入試では、男子御三家が志願者を減らす中、前年比105%と志願者を増やしました。 また付属校や系属校。最近急に増えてきた、高大連携した学校も人気を集めています。 国際基督教大学(ICU)と連携した佼成学園、法政大学と連携した三輪田学園。 また昨年11月に、北里大学との合併を発表した順天。医療系学部の多い北里大学の付属化は注目され、実際今年の入試では、特に男子の志願者が急増。全ての日程で倍率が4倍台・5倍台になりました。
理数系やICT教育が充実
次に、理数系やICT教育に力を入れている学校です。 豊洲にある芝浦工大付属では、実験・工作の体験授業「サイエンス・テクノロジーアワー」が行われ、理工系の仕事への興味関心を引き出す工夫がされています。 また、理工系大学の付属校というメリットをいかし、大学の最先端の研究に触れる機会も用意。 そのような取り組みもあって、今年はかなり志願者を増やしました。 女子校では、2023年に120周年をむかえた、山脇学園。 英語と理科に特化した教育施設を整備するなど、「伝統校」という言葉にあぐらをかかず常に進化する姿勢で、人気を集めています。 2025年には英語上級者向けの「国際教養コース」を設置する予定もあり、今後もこの人気は続きそうです。 他にも、将来のための英語教育やICT教育に力を入れている、国際系の学校。 今年は特にサレジアン国際世田谷が人気で、多数設定されている日程やコース、そのほとんど全てで志願者を増やしました。中には前年比381%という回もあり、厳しい入試になりました。