かんぽ生命、超長期債はバリューあり着実に購入-終身保険販売が好調
(ブルームバーグ): かんぽ生命保険は一時払い終身保険の販売が好調なことを受け、2024年度下期も超長期債を中心とする円金利資産を着実に購入していく方針だ。野村裕之執行役員兼運用企画部長が28日の運用説明会で明らかにした。
野村氏は、足元の超長期債の金利水準について「ある程度バリューがある」と指摘。「一時払い終身保険の販売料が着実に入っているため、着実に購入している」と述べた。保険販売の好調で「年間3兆円ずつ減っていた総資産が今年度は1.5兆円程度の減少にとどまる可能性があるため、その分円金利資産を購入していく」との考えを示した。
10月から通貨スワップを用いて外国社債を円金利化した資産への投資も始めており、24年度で1000億-2000億円の投資を想定しているという。
利上げは年度内に1回
日本銀行の追加利上げについてはデフレから脱却し、異次元緩和から脱却の方向性は確認されており、「金利水準がまだ歴史的に非常に低いことを考えれば、年度内に当然1回ある」とみている。
10年金利は次の利上げも視野に入れつつ、年度末で1.2%まで上昇する展開を想定。30年金利は年度末で2.25%、上限は2.4%を予想する。円金利資産の残高は償還の多さから上期に減少したが、「減少幅は非常に少ない」と説明。保険販売が好調なことから、下期も上期に続き「国債と社債の買い入れをきちんと行う」と野村氏は話した。
ヘッジ付き外債は金利低下局面で残高を減らし、円金利資産に移す戦略だと指摘。オープン外債は「少し慎重目線ながら増やす方向で考えている」と言う。
【かんぽ生命の24年度下期運用計画】
【金融環境見通し:25年3月末の見通しとレンジ】
(c)2024 Bloomberg L.P.
Masahiro Hidaka, Mia Glass