「ベルルッティ」がパリ五輪フランス代表の開会式の服を公開 選手と職人が対話し製作
シューズは、「ベルルッティ」の定番品が生産されるイタリアのフェラーラにある工場で生産。ローファーとスニーカーの2種類をそろえ、選手は選ぶことができる。ローファーはメンズの伝統的な“ロレンツォ(Lorenzo)”をベースに、女子選手には改良。ネイビーのしなやかなレザーに、柔軟性の高いソールを備えた軽量な“ロレンツォ”は、ブラックのパティーナ加工を施し、サイドには、大会アスリート限定のデザインとして赤いステッチがあしらっている。
スニーカーは、2021年まで「ベルルッティ」のアーティスティック・ディレクターを務めていたクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)が、当時の最高経営責任者(CEO)、アントワン・アルノー(Antoine Arnault)非業務執行会長の依頼で発表したデザインを特別仕様にしたもの。全体をオールネイビーにし、シューレースなどに黒いディテールをプラス。またネイビーに合わせて、赤と白のグラデーションデザインを加え、フランスを象徴するトリコロールを特徴とした。アッパーのサイドにはブランドのロゴ、足首には“Paris 2024”の文字が刺しゅうされている。
ベルトは、「ベルルッティ」のアイコニックなバックル付きのレザーベルトにナショナルカラーをハンドペイント。先行して発表されたフランス代表チームの競技ウエアのデザインにもリンクしているようだ。すべてのアイテムには、LVMHがパリ五輪のプレミアムパートナーであることを示すフレーズ「Artisan of All Victories(勝利の職人)」と記され、ジャケットなどの裏地には製作における職人の役割などを示したラベルが縫い付けられている。
これらのアイテムはすべてオーダーメードであることから、デザインチームは選手と対話を重ね、デザインやスタイルを微調整してきた。例えば、パラリンピック選手のフィードバックから、フルスカートやプリーツスカートのアイデアが、車椅子に乗る選手にとっていかに非現実的だったかを理解したり、“ロレンツォ”のローファーをミュールバージョンで提供する計画も義肢を持つ選手たちにはグリップ力のあるオリジナルのローファーの方が快適であると判断したり、改良を重ねた。ヴァネッサ・ル・ゴフ(Vanessa Le Goff)=プレタポルテ・コレクション&マーチャンダイジング・ディレクターは、「ウエアはコスチューム的なものは避け、選手団に快適さを感じてもらうことを優先して考えた」と語った。