我慢が限界突破…「年金25万円」家族にすべてを捧げた元地方銀行員、勤労の成果「退職金2,000万円」が老後5年で底をついた理由【FPが解説】
吉報!次女、博士号を取得
我慢の生活が限界を迎え、ようやく美香さんに打ち明けようとしたとき、なんと美香さんは審査に合格。博士号を取得することができたという知らせが届いたのでした。 大学に居続けて仕事をすることもできますし、高収入も期待できる仕事に就くことができ、一安心の田中さん。しかし、当の本人は老後の資金をほとんど使い果たしてしまい、老体に鞭を打ちながら生活を支えるためにアルバイトを続けています。「老親でも末娘の夢を助けてやれた、そう思うと自分が誇らしくて励みになるんです」田中さんは生活に苦しさを感じながらも笑みを浮かべていました。
自分達の現状から最適な方法を選ぶ
田中さんの場合、安易に老後資金に手をつける前に、奨学金や学資ローンという選択肢を検討すべきだったでしょう。奨学金を借りることで娘の美香さんが返済していくことになりますが、収入が高い職に就くことができれば無理のない返済も可能です。お金を借りて自分でしっかり返済していくことを決意することで、学ぶための覚悟にもなるでしょう。 使う用途がしっかりあれば借りることができますが、無理に老後資金を切り崩してしまい、卒業したあとでは子どもの教育資金として教育ローンを利用することはできません。奨学金を「借金」と嫌う人も多いものですが、しっかり将来を考え、無理のない返済計画を立てておくことで活用したほうがメリットが多いケースもあることを知っておいたほうがよいです。 手元の資金はできるだけ使わずに、返済金を借りて運用しながら取り崩すことで老後もゆとりを持つことができたでしょう。さらに、卒業後に老後の資金の中から一部援助してもよかったでしょう。 家族との対話の欠如 また、娘の美香さんと、卒業したらどうしたいのかを親子でコミュニケーションを取ることも必要だったといえます。大学院に進学したいと考えていても、親に遠慮してなかなかいい出せないこともあるかもしれません。そういった際、将来をどう考えているのか、親として娘の話を聞くことも大事です。
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