「民主主義はまだ不完全」―GLAY・TAKUROさん
2019年に25周年を迎え、そのテーマに「DEMOCRACY(民主主義)」を掲げたGLAY。リーダーのTAKUROさんは「民主主義」について、「人類が生み出したこの素晴らしいアイデアは、まだまだ不完全なんだと思う」と言います。バンドを通して世の中と真摯(しんし)に向き合ってきた26年の活動、そして「DEMOCRACY」への思い―。コロナ禍で一斉に広まった「不要不急」に悩みながらも、この時代に「音楽」が出来ることを考え続けるTAKUROさんの今を聞きました。(Yahoo!ニュース Voice編集部)
不完全な民主主義――音楽から「想像する」ことを学んだ
――GLAY25周年のテーマは「DEMOCRACY(民主主義)」でした。民主主義についてTAKUROさんの考えを教えてください。 TAKUROさん: 今、非常にデリケートなことですが、ミャンマーが立ち向かっている問題は、本当に民主主義を揺るがす一大事変ですよね。民主主義って難しい言葉のようですが、結局は「発言の自由」「移動の自由」「自分が人間らしく生きる自由」みたいなもので、それを脅かされる事件、案件がこの何年かで世界中に顕著に現れてきていると思っています。僕が民主主義を思う時、人類が生み出したこの素晴らしいアイデアは、まだまだ不完全なんだなというふうに思うんです。 理想を掲げて、人間は「幸せ」というすごい大きなものに対して、歩いて行っているんだろうけども、やっぱりどこまで行っても人間が考え出すものだから、その時々に不完全があって、その不完全を補うためにまた人は戦って、その戦う相手がまた人間というのは、これまたすごい皮肉だなって。ウイグル族の問題やミャンマーのことを日々思う時、「何か自分に出来ることはないのか」。そして、「自分の周りにも似たようなことがあって大変な思いをしている人がいるんじゃないか」「この不完全な民主主義の中で、ただボケーっと暮らしているんじゃないか」というふうに思うことがあります。 ――民主主義のために「音楽が出来ること」について、TAKUROさんはどう思われますか? TAKUROさん: 結果から言うと、音楽に出来ることというのは、ほぼないんじゃないかと思います。ただ世界各国、どの地域でも、リーダーたちも生まれた時は赤ちゃんだったわけで、政治を行ったり起業する人たちも、思春期にはいろいろな物に影響を受けていると思います。僕自身「想像する」ということを音楽から強く学んだし、影響を受けました。音楽に出来ることはほとんどないけれど、そこにはちょっとぐらいは役に立つかもしれないです。