トランプ氏意識したか…G20首脳「開放的多国間貿易保障」共同宣言
主要20カ国(G20)首脳らが18日、「開放的で包容的な多国間貿易システム保障」に合意した。G20首脳らはガザ地区とウクライナの戦争に深い懸念を示し、気候変動対応にも協力することにしたが、具体的な対策は出すことができなかった。 AP通信などによると、G20首脳らはこの日ブラジルのリオデジャネイロで開かれたG20首脳会議で共同宣言文を採択した。 首脳らは宣言文で「世界貿易機関(WTO)を中心に規則に基盤を置いて非差別的で公正で開放的で包容的で公平で持続可能で透明な多国間貿易システムを保障しなければならない」と明らかにした。 これに対してトランプ次期米大統領の就任後に浮上する米国優先主義と保護貿易基調に対する懸念を盛り込んだものという評価が出ている。ロイター通信は「G20首脳らはトランプ氏が執権する来年1月を前に多国間合意を強化しようと努力した」と伝えた。 首脳らはまた、ガザ地区戦争と関連し「ガザ地区の人道的災害状況とレバノンでの戦争拡大を深く懸念する」として包括的休戦を促した。ウクライナ戦争に対しても「包括的で正しく持続的な平和を支援するすべての建設的なイニシアチブを歓迎する」とした。 気候変動対応と関連してはパリ協定の温室効果ガス縮小目標を達成するために「団結する」と約束した。だが開発途上国が気候変動対応に出るために必要な資金をどのように調達するのかに対しては「だれが、どのように」を省いたまま「すべての財源から数十億ないし数兆ドルの環境基金を増やす必要がある」という原則的立場にだけ合意した。化石燃料と関連しても「非効率的な化石燃料補助金」を減らしていくと明らかにするだけで、化石燃料自体を減らすという意志は明らかにしなかった。 首脳らはまた、議長国ブラジルのルラ大統領が提案した世界的な富裕税導入に対し「租税主権を全面的に尊重し、超高額資産家に効果的に課税できるようにするということに協力すること」を約束した。具体的協力案としては模範事例共有や租税回避防止メカニズム構築などを提示した。国連安全保障理事会と関連しては21世紀の現実とニーズに合うよう変える改革に出ることにした。