【毎日書評】なぜ売れないのか?ではなく、なぜ買ってもらえないのか?考えるマーケティング思考術
目的はお客様に買っていただくこと
期待する売上が得られないとき、「もっと売るために、もっと売上を上げるためにはどうしたらいいんだ?」と考えているとしたら、それは「頭が完全に“売り手発想”になっている証拠」だと著者は指摘しています。 売上はあなたが「売る」ことであがるのではなく、お客様が「買ってくださる」ことで得られると捉えましょう。期待するほど売上があがらない場合、「なぜ売れないのか?」ではなく、「なぜ買ってくださらないのか?」と考えるのです。(16ページより) 「どちらも同じことじゃないか」と思われるかもしれませんが、この視点の違いが大切。売り手目線の考察では、往々にして「お客様が買わない理由」を見逃してしまうからです。ちなみに著者は、「お客様に買っていただけない理由」として以下の項目を挙げています。 ・ニーズそのものがない、もしくは小さい ・商品やサービスがお客様のニーズにフィットしていない ・商品やサービスのパフォーマンス評価(購入後の満足度)が低い ・価格が高い ・最適なチャネルに商品が配荷できていない ・配荷できているアイテム(SKU:Stock Keeping Unit)が少ない ・店内の商品配置がわかりづらい ・EC(デジタルシェルフ)での検索順位が低い ・店頭の在庫が切れている ・商品の存在が知られていない ・興味を持ってもらえていない ・商品の特徴を理解してもらえていない ・パーセプション(認識)がズレている ・ニーズが顕在化したとき、真っ先に思い出してもらえていない ・好かれていない ・信頼されていない ・ブランドイメージが悪い ・話題性に乏しい ・SNSの(ユーザーによる)投稿が少ない ・ネガティブなクチコミ(レビュー)が多い ・営業力が弱い ・競合が強い ・景気が悪い ・天気や気温が自社のマーケティングに不利 (16~17ページより) 他にもたくさんあるものの、おおむねこんなところ。また、小売・サービス・外食などの店舗ビジネスの場合これら以外に下記が挙げられるようです。 ・自宅や職場の近くにお店がない ・営業時間が短い(顧客ニーズにフィットしていない) ・看板がわかりづらい ・ファサード(外観)に開放感が足りず入りづらい(店内が見えない) ・駐車場がない、駐車台数が少ない、狭い、停めにくい、出しにくい ・店員の接客態度が悪い ・店内が不衛生 ・店内が臭い ・店内が暗い(適切な照明になっていない) ・快適な室温になっていない ・周辺の人口が減っている (16~17ページより) 著者によれば、これらはお客様が商品やサービスを買わない(お店に来ない)代表的な理由。 いいかえれば、こうした「お客様が買ってくれない理由」を見つけ、それらの課題を解決することで「買ってくださる確率を高め、お客様の人数を増やすこと」がマーケティングだということです。(16ページより)