尽誠学園の金山颯「来年は自分が」偉大な先輩を追いかけ“絶対的存在”へ
■悔しい逆転負け
『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』1回戦屈指の好カードと目されていた洛南高校(京都府)vs尽誠学園高校(香川県)は、期待を裏切らない熱戦の末に洛南に軍配。尽誠学園リードの時間が大半を占めたが、洛南は最後の10分間で19-10として勝利をものにした。 【動画】渡邊雄太も生観戦し拍手…金山颯のブザービーターに笑顔も 「うちが勝つためには接戦をものにするしかないと思っていましたので、そこまでは予定通りでした。でも、やっぱり最後踏ん張りきれなかったところが大きな敗因だったのかなと思います」 尽誠学園の色摩拓也コーチは、そう試合を振り返った。 この試合、前半から22得点を挙げてオフェンスを引っ張ったのは2年生の金山颯。「色摩コーチからもしっかりシュートを狙っていけと言われていました」と明かした背番号2は、最終的にはゲームハイとなる38得点を稼いだ。 しかし、チームは74-78で敗れ無念の初戦敗退。金山は「最初は自分たちのディフェンスからしっかりオフェンスにつなげることができていたんですけど、後半はディフェンスのコミュニケーションミスや簡単なところでミスが出てしまい、そこから崩れてしまいました」と振り返り、こう続けた。「個人的にも後半の勝負どころでシュートを決めきれなかったことにすごく悔いが残っています」。
■偉大なOB渡邊雄太も見守るなか
金山は、昨年から即戦力ルーキーとして全国でも持ち前の得点力を発揮してきた。「下級生でありながら自分がボールを長い時間持たせてもらっている」とポイントガードとしてオフェンスを組み立てる場面もあるが、「チームの中では得点を取ることが一番の役目なので、どんな状況でも点を決め続けなければいけないです」と、得点への強い意識を持ってコートに立つ。 この日、ベンチのすぐそばには尽誠学園のOBである渡邊雄太(千葉ジェッツ)が応援に駆けつけた。勝利を届けることはできなかったが、2年生スコアラーは偉大な先輩を追いかけ続ける。 「シーズン前に一度練習にも来てくださって、すごくいい刺激をもらいました。日本バスケの先頭を走っている本当に素晴らしい方ですし、プレーだけでなく人としての振る舞い方などもお手本にしたいと改めて感じました。そういう方が尽誠学園の卒業生にいることは自分たちにとってもすごく光栄なことですし、これからもその背中を追いかけて頑張っていきたいと思います」
■エースとしての自覚
尽誠学園での2年目が終わった。「この2年間3年生と一緒にやってきて、その中にはメンバーから外れてしまった先輩もいます。自分は試合に出させてもらっている中でチームを勝たせられなかったことは本当に申し訳ないです」と自分を責めたが、この悔しさが金山と尽誠学園をさらなる高みへと押し上げるに違いない。 「来年は自分がチームを勝たせられる選手になりたいです。得点を取ることもそうですけど、リーダーシップ、アシスト、リバウンド、ディフェンスの部分でも貢献できるような選手になりたいと思います」 来年、金山颯が目指すのは、渡邊雄太のような尽誠学園が誇る絶対的存在だ。 取材・文=小沼克年
BASKETBALL KING