ラーメンと器の関係を探る。「ラーメンどんぶり展」が21_21 DESIGN SIGHTで開催へ
21_21 DESIGN SIGHTで、2025年3月7日から「ラーメンどんぶり展」が開催される。 本展は、グラフィックデザイナーの佐藤卓とライターの橋本麻里がディレクターを務め、彼らが2012年から取り組んできた美濃焼に関するプロジェクトのひとつ「美濃のラーメンどんぶり展」をもとにするもの。美濃焼は岐阜県東濃地方で生産される陶磁器であり、じつは日本で使われているラーメン丼の9割が美濃焼であることが知られている。佐藤と橋本は、ラーメン丼を様々な視点から見直し、美濃焼の歴史や背景、つくり手の活動、そして日常的な食器が私たちの生活に与える豊かさについて伝えてきた。 本展では、これまでのプロジェクトを発展させ、ラーメン丼やレンゲをデザインしたアーティストたちの作品に新作10点を加えた全40点のオリジナルラーメン丼が紹介されるほか、プロジェクト初となる建築家・デザイナー3組による「ラーメン屋台」のデザインも登場する。また、「デザインの解剖」として、身近な製品の成り立ちを徹底的に検証する手法でラーメンと器の解剖を試み、ラーメンの文化や歴史、さらに東濃地域の風土や環境についても紹介される。 ラーメンは、忙しいときの手軽な食事としてだけでなく、休日に誰かと楽しむ食事や、旅行時の携帯食、非常時の保存食、さらには宇宙食にまで幅広く食されている。本展では、このラーメンという身近な食文化を「器」から紐解くことで、私たちの日常生活がどのような要素で成り立っているのか、そしてそれにどのように人々やデザインが関わっているのかを発見することができる。この展覧会は、ラーメンの魅力を再発見し、日常のなかで意外な視点を楽しむ機会を提供するだろう。 アーティストラーメンどんぶり: 秋山具義、浅葉克己、アラン・チャン、粟辻美早、石上純也、一乗ひかる、糸井重里、上西祐理、片桐仁、菊地敦己、北川一成、佐々木俊、佐藤晃一、佐藤卓、佐野研二郎、塩川いづみ、澁谷克彦、ジョナサン・バーンブルック、鈴木文女、千田優希(唐長)、祖父江慎、髙田唯、竹中直人、 田名網敬一、束芋、田部井美奈、天明屋尚、土井善晴、永井一史、永井一正、仲條正義、服部一成、ヒグチユウコ、深澤直人、細川護煕、松永真、皆川明、森田恭通、横尾忠則 、LiSA 伝統的ラーメンどんぶり: 安藤工、加藤仁香、加藤三英、加藤陽児、加藤亮太郎、阪口浩史、富岡大資、榛澤宏、吉岡伸也、若尾経 ラーメン屋台: 竹中工務店(正田智樹、海野玄陽、松井優香、森唯人)、TONERICO:INC.、中原崇志
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