「ばばも死ぬから、死んで」78歳の女性は苦悩の末、孫の首に手を掛けた 発達障害、不登校、暴言と暴力、すべての責任を背負い込み…
事件後のある晩、祖父と一緒に寝ていた孫は、突然泣き出したという。 「ばばは僕を真剣に怒ってくれたんだ。大きくなって何でもできるように。僕はばばの気持ちを分かってあげられなかった。僕が原因なんだよ」 祖父は公判で孫について聞かれ、涙を流して訴えている。「本当は優しい子なんです。今すぐにでも(祖母と)会わせてやりたい」 勾留が続く祖母にも変化があった。家族との面会を繰り返すうちに、常に厳しかった表情が徐々に和らいでいった。 被告人質問で祖母は、当時を振り返っている。 「あの3月は何だったんだろうか。次から次へと悩みが尽きず、本当につらかった」 祖父は法廷で「後悔」を口にした。「夫として一緒に住み、『限界』という言葉を聞いていながら、未然に防げなかった」 被害者である孫を含め、親族5人が「処罰を求めない」という嘆願書を裁判所に提出。祖母が家に戻った後のサポートも誓った。公判の最後の意見陳述で、祖母は涙声でこう語っている。
「本当に申し訳ない。孫も私も生きていて本当に良かった」 千葉地裁は10月12日、懲役3年、執行猶予4年の判決を言い渡した。判決が確定後、祖母は自宅近くに住む長女とその息子と暮らすことになり、孫とは当分顔を合わせないという。 加害者と被害者の双方を抱えるこの家族は、どのように再出発していくのだろうか。幼い孫が抱えた心の傷は決して小さくないとは思うが、祖母が法廷で語った小さな望みがかなうよう、願ってやまない。「許されるならば、孫のいないときに料理を作ってあげたい」
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