「新基準原付」 国交省と警察庁が同時発表 同じバイクで原付と自動二輪の区別をつける方法とは
外見上の識別、課税しか考えない総務省の対応に振り回される
国交省や警察庁の対応だけでは不十分なのが、外見上識別できるかどうかという国民の心配についてです。「新基準原付」を外見で見分けられる方法については、車両の規格を定めた国交省が、型式を認定する段階で、エンジンと車体の両方に最高出力を表示することを求めることを定めましたが、これだけでは公道走行中に見分けることはできません。
警察庁は、寄せられたパブリックコメントに対する結論をこう記しています。 「ナンバープレートの区別をはじめ、外見上の識別措置についての検討を関係省庁と進めているほか、施行までに新基準原付について、分かりやすい広報啓発に努めていくこと等を踏まえ行うもの」 経済産業省、国交省、警察庁と合同で提出した税制改正要望では、「新基準原付」は原付なので、排気量の大きさに関係なく現行の排気量50cc原付と同じ課税とすることを求めています。 「新基準原付」には白地ナンバー、同じ車体でも125ccであればピンク地ナンバーにすることができれば、課税標識(ナンバープレート)で公道走行時にも見分けることが可能です。 しかし、総務省は軽自動車税の課税に関することは法改正が伴うことを判断したため、税制を検討する与党国会議員の判断が必要となり、さらに国会で法改正の議決が伴います。課税の方向性は、他の様々な税制改正に混じって議論されるので、「新基準原付」が導入される見通しがまったく立っていません。 車両規格や運転ルールが決まっても、まったく見通しが立っていないことが、実は最大の心配事かもしれません。
中島みなみ