トランプ氏、ウクライナ戦闘終結まで「6か月ほしい」…「就任24時間以内」から後退
【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ次期大統領は7日、フロリダ州で記者会見を開き、ロシアとウクライナの戦闘終結について「6か月はほしい。できればそれより早く終わらせたい」と語った。これまで「大統領就任から24時間以内に終わらせる」などと早期終結を主張してきたが、発言を後退させた形だ。 【写真】ロシアに派遣された北朝鮮兵のものとされるメモ。ドローンの撃墜方法がイラスト付きで書かれている
トランプ氏はウクライナ侵略を巡る停戦交渉に関して「とても複雑だ」と指摘し、容易でないことを認めた。「毎日、多くの若い兵士が殺されている。私が大統領ならあの戦争は決して起こらなかった」とも強調し、責任の矛先をバイデン政権に向けた。
20日に就任するトランプ氏は昨年11月の大統領選で、ロシアのプーチン大統領との交渉に自信をみせ、大統領就任前の解決や、就任直後の終戦を実現させるなどと発言してきた。
プーチン氏との会談については「言えないが、プーチン氏は会談を望んでいるだろう。(自身が就任する)20日よりも前に会うのは適切ではない」と述べるにとどめ、慎重姿勢を示した。
停戦交渉を巡り、ウクライナ側はロシアの再侵略を防ぐための「安全の保証」として、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を求めている。ただ、トランプ氏は加盟に反対するロシアとの交渉を進めるため、早期加盟に否定的とされ、停戦のめどはたっていない。
NATOに関しては、加盟国の防衛費を国内総生産(GDP)比2%としている目標について、「5%にすべきだ」と大幅な引き上げを求めた。「彼らは我々を利用している」と不満もぶち上げ、欧州各国にさらなる負担増を迫る考えを鮮明にした。
一方、ウクライナへの軍事支援の継続の是非を記者会見で問われ、トランプ氏は「言わない」と否定しなかった。これまで支援継続に後ろ向きな姿勢を再三にわたって強調してきただけに、大統領就任後の出方が注目される。