プロも使う完成度!ユニフレーム「コーヒーバネット」が30年以上売れ続けている理由
肌寒い空気の中、キャンプの起きぬけにゆっくりと静かに淹れるコーヒー。立ち上る香りとその温かさが冷えたからだに沁みる。そんな経験からキャンプ×コーヒーにハマるキャンパーも多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人。 【使用感など詳細画像を見る】 そんな、キャンプで過ごす時間をより贅沢なものにしてくれる、コーヒーに必要なアイテムがコーヒードリッパーです。ドリップバッグコーヒーでも十分美味しいのですが、自分好みのコーヒー豆を使って自分のための一杯を追求するのもまた一興。モノによって味わいが変わるので、ドリッパー選びは重要です。 そして、数あるアウトドア用コーヒードリッパーの中でも圧倒的人気を誇るのが、新潟県燕市に拠点を置く老舗国産ブランド、ユニフレーム(UNIFLAME)の「コーヒーバネット」。 キャンプシーンに定着して久しい「コーヒーバネット」は、円錐タイプのコーヒードリッパー。誰でも上手にコーヒーを淹れられる形状と高い収納性、何度使っても形を保ってくれる高耐久性に加え、洗いやすく乾きやすいというメンテナンス性の良さも光ります。 2023年現在、シェラカップにセットできる「sierra」(1870円)、3つ脚で安定感のある「cute」(2200円)、ファミリーやグループで活躍する大人数用の「grande」(2420円)と3つのバリエーションがラインナップしています。 「実はユニフレームの中でもブランド初期からある古株な商品で、弊社の中でもロングセラーな商品なんです」と話すのは、ユニフレームの野﨑さん。営業をはじめ広報や商品開発と、幅広い業務を請け負っています。 カセットガス缶を燃料にしたガストーチ「トーチバーナー」と、ポータブルヒーターの「ワーム」の2商品とともに、1985年にブランドをスタートしたユニフレーム。1989年に業界初のカセットガス式2バーナー「US-2000」、1991年にはカセットガスランタン「UL-1100」(現行モデルUL-Xの初代)を発売。その翌年の1992年に「コーヒーバネット」が生まれました。ブランド初期にコーヒードリッパーなんて…。ニッチでシブ過ぎるぞユニフレーム! 今でこそ「ファイアグリル」や「ユニセラ」といった、焚き火や調理器具周辺のキャンプギアに定評のあるユニフレームですが、その初期にコーヒードリッパーがなぜ生まれたのか。そのきっかけは地道なプロモーション活動の中にあったと言います。 「アウトドアイベントに毎年出展する中で、客寄せのためにコーヒーを振る舞っていたんです。当時は商品ラインナップも少なく、ユニフレームを知っているお客様もそれほどいなかったので、なんとかブースを見てもらおうと(笑)。この時に生まれたアイディアを実現したのがコーヒーバネットなんです」 「コーヒーバネット」発売以前は、アウトドア用のコーヒードリッパーがない時代。大手コーヒー器具メーカーのドリッパーを使用していたが、どうしても嵩張るし、アウトドアっぽい見た目じゃない。「それだったら作ればいい!」と、コーヒー好きの社員を中心に商品開発が始まったといいます。 「円すい型を選んだのは、誰でも手軽に淹れやすいということと、ワイヤーを使った収納ギミックを取り入れられる形状だったということにあります。開発当時の日本では円すいタイプのコーヒードリッパーはそれほど一般的ではありませんでしたが、今思えばそれが功を奏したのかもしれません」 アウトドアブランドが生み出した、このコンパクトながらも本格的なドリップ性能を備えたコーヒードリッパーは、意外なところでその人気に火がついたのです。